ただ1つの光
ただ1つの光を頼りに
私は生きていました
嵐のような日には
その光暈が
霞んでみえるときもありましたが
それさえも
ただ1つの光のなかで
生きていたことが次第に分かり
歩みを止めず
歩いているうちに
満腔春意が湧きあがり
私は生きることができました
ただ1つの光には
死がありませんでした
死と光が融合すると
それは鑽仰であり
移行であり
飛翔です
もしもこの世界に
枯れない花や朽ちない泉
消えることがない炎
失うことがない大気があるとすれば
ただ1つの光と似ています
この
ただ1つの光のなかに
人や自然や宇宙があり
ちょうど臍の緒で繋がる胎児が
お母さんのお腹のなかにいるように
内包されているのです
ですから
人や自然や宇宙のなかには
ただ1つの光が川のように流れ
日の光のように
虹の色彩のように溢れ
光の束のような種が宿り
光の花が咲いているのだろうと
私は
そう思って生きてきました
彎曲したり
登攀したり
凋落したりしても
不思議なほど
ただ1つの光に邂逅するのでした
もはやこの神憑りは
神から授けられた
私の宿命であり
使命なのでしょう
ただ1つの光を頼りに
私は生きていました
前世からそうでしたが
2つも3つも
私にはありませんでした
一途とは似て非なるものです
ましてや統一のような
野蛮なものではありません
むしろ
統合であり
総合です
ただ1つの光は
形があり
形はないのです
未来永劫
ただ1つの光を頼りに
私は生きていきます
私はただ1つの光
ただ1つ
1つ
1
世界は1つ
世界は一元の世界
世界に転がる悲しみが
私の心のなかでも疼くのです
ただ1つの光を頼りに
私は在ります
在りて在る者です
ただ1つの光
ただ1つの光