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神ノ夢見物語 日木ノ国編  作者: カイトーチ
序章
9/179

視点R ツクモ

 いよいよあの蓮華蛇についての話だ。


「君は[万物に神様が宿っている]みたいな話は聞いたことがあるかい?」

「えっと、八百万、的な?」

「まぁそんなところでいいだろう。あの化け物は正確には魂が宿って神に成り損なった存在だ。おそらく一定期間使ったため廃棄処分になったために蓮華に怨念が宿った、といったとこだろう。」

「へー。でもなんで怨念が宿るんですか?何か理屈が・・・」

「夢だ。」


 風也が割って入ってきた。


「夢?」

「人間だって夢を見るだろ。こんなことがしたい、とか、こんな風になりたい、とか。{妄想}といった方が速いかもしれない。道具だって夢を見る。ま、その多くは道具本来の使われ方をされて欲しいとかかな。だからこそ使い道がまだあるにもかかわらず捨てられたりとかすると。怨念が宿りやすい。その怨念の強さが化け物、[ツクモ]の強さに直結する。」


 [ツクモ]と総じて読んでいるのか「ガミ」が抜けている辺り「成り損ない」という意味が込められたのだろうか。


「ツクモの説明については大体理解しました。人にはどんな危害を加えるんですか?」

「あぁ、それはーーー」

「たっだいまーーーーー!!!」


 後ろから元気すぎる声が響く。女の声だ。振り向くと女子高生が一人ずかずかと部屋に入ってくる。


「あ、風也来てたんだー。おや?そちらの人は?ここにいるってことはー」

「ろ、六ノ宮、真白。です。」

つっかえつっかえになってしまった。

「真白君だね!私、二上恵里菜!ここ二上清掃の看板娘(?)であり、そこにいる風也とは幼馴染。あ、そうだお腹空いてない?もう夕方だし何か食べてく?冷凍のものしか用意できないけど。」


 食べるか、食べないか、答えてもいないのにもう奥の方で電子レンジを動かしている音がする。

どうやら食べるしか選択肢はないそうだ。風也君はやれやれといった顔をしてる。


 結局目の前のテーブルには海老ピラフが二皿並べられた。昼飯と若干ジャンルが被っている。

話がすっかり止まっていた。ピラフを食べながら再開しよう。


 レッジの一言から話は再び始まった。


「率直に言えばツクモは人間を食べるんだ。人間を食べることで成長する。」


 あまりにもすっぱりとした説明に思わずむせそうになった。


「しかしただでは人間を食べない。まずは食べようとする人間の夢を壊すんだ。なんせツクモはその道具の夢を壊された存在。夢が大嫌いなんだ。」


 すると風也がピラフに入っているグリーンピースを一つづつ丁寧にのけ始めた。


「人間を食べるためには嫌いな夢は予め壊すことで取り除く。夢を壊された人間は抜け殻になってしまうためそれを守るために俺たちが戦うってわけ。」


 風也の皿の端にはグリーンピースの山ができた。真白は思わず問いかける。


「・・・もしかしてグリーンピース嫌い?」

「いや別に」


 風也はグリーンピース全部をすくって頬張った。


ツクモ情報


蓮華蛇


中華料理店で廃棄処分されるはずだった蓮華に怨念が宿った蛇状になったツクモ。

六ノ宮真白の夢を壊そうとするも失敗。その後片し屋によって処分された。

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