視点R 病院ニテ
最後はピッチャーライナーでした!!!宮口よく取った!試合終了!長谷部実業、5年ぶり28回目の鋼子園出場決定!ベンチから選手がマウンドの宮口のもとへー--
「いやー、昨日の決勝戦はロースコアの接戦でしたねー。さあここで今日のゲストは元板神パンサーズの小曽川さんです。小曽川さん、この試合のポイントとなった部分はー」
ナースが入ってきたので僕は病室のテレビの音量を下げた。
あの後、僕は病院に搬送された。この前の蠍騒動の病院ではない。精神病院だ。あっちの病院には風也君が入院している。足の骨折は全治1か月だそうだ。で、なんで精神科かというと、それはもう、急に人が変わって「破壊だ、破壊だ。」なんて言ってたらそりゃーそっち方面に運ばれますよ。
「六ノ宮さん、食器を下げに来ました。」
「ああ、ありがとうございます。」
もう一人の自分は昨日以降出てきていない。もう、会うことはないのだろうか。凶暴な感じだったけど、彼にしか聞けないこともあった気がするんやけど・・・
「あ、すみません。その窓際にあるその皿も回収するので取ってもらえませんか?」
「へ?」
右を向くと青い皿にフルーツナイフと蛇のように繋がったリンゴの皮がある。
「これ、どうしたんですか?」
ナースに聞いてみる。
「え?いやだなー六ノ宮さん。さっき自分で剥いて食べてたじゃないですかー。」
皿を受け取ったナースはそう言って笑いながら部屋を出ていった。
・・・
自分、あんなに上手にリンゴの皮剥けないんやけど・・・。
第5章 ー完ー




