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視点R 9回表
《さあ、ここで1塁側のベンチを見てみましょう。あー宮口キャッチボールしてますね。9回のマウンドにも上がるようです。》
《球数は120球を超えていますが、行きますかー。》
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もう一人の自分はかなり激昂している。この人は過去の記憶を知ってるのか。でも、どうしようか。なんとかなだめないと。
ん?真っ黒な世界だと思っていたけど。彼の後ろが少しぼやけて何かが見える。顔までは識別できないけどあの立ち回りは風也君?もしかして現実世界で二人が戦っている?
「俺の、俺の破壊を邪魔するな―!」
僕と同じ顔をした人が粗ぶっている。こんなとき、なんて声をかければ、
「・・・嘘だ。」
「は?」
自分でもびっくりするような言葉が出た。続ける。
「破壊したい?君にはとてつもない力がある。それならこの球場だって、他の建物とかもすぐに壊せたはずだ。」
「・・・」
「でも君は破壊しなかった。1つも。」
「・・・」
「君が本当に破壊したいものは何?」
「・・・」
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《3アウト。9回の表が終了しました。宮口がマウンドへ向かいます。鋼子園まであとアウト3つです。》




