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神ノ夢見物語 日木ノ国編  作者: カイトーチ
第5章 ー0ボール2ストライク編ー
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視点N 明葉原

 丸一日休めたのは大きかった。彼は何か準備をしているのだろうか?


「昨日の恵里菜君の報告によると、前代未聞のケースが起こっているね。彼には。」


 レッジの言葉には軽く相槌を打つ。今日彼を何としても探し出す。そう意気込んで家を出た瞬間。電話が鳴った。真白からだ。


「もしもし?」

「もしもし、昨日はよく眠れたか?」

「なんの用?」

「今、明葉原にいるんだ。」

「揺さぶってるのか?」

「試しにきてみたらどうだ?本当かどうか。」


 そこで電話は切れた。かけ直しても出てくれない。


「どうする?風也?」

「・・・行こう。」


 なんせ情報ゼロだからだ。罠かもしれないが、今はこれに頼るしかない。俺とレッジは明葉原へと向かった。


 結論を言うと駅を降りた真正面に立っていた。


「ひとまず、散歩でもしようぜ?」


 こんなに重い空気が走る散歩は初めてだ。


「本当に、お前が本物なのか?」

「そうだって、あの女から聞いたんじゃないのか?」

「お前の言うニセモノにはもう会えないのか?」

「さあ?」


 明葉原は相変わらず騒々しい。派手な蛍光色の喫茶店に電波曲が流れ、耳が少し痛くなるくらいだ。


「破壊はしないのか?」


 触れずにいた話題だが、敢えて聞いてみることにした。昨日、何も行動を起こさなかったのがあまりにも不可解だったからだ。


「あー、それはだな。」


 気づけば家電量販店が多く並ぶエリアに来ていた。真白はその内の一店舗の前で立ち止まる。真白は店の方を見る。店頭には中古で安売りされているテレビが何台も並べられており、お昼のニュースが流れていた。


『天気予報のコーナーです。今日の棟京は全体的に晴れ。2日連続で雨により中止になっていた。夏の全国高校野球東棟京大会も今日は雲一つない青空で観戦することができますね。プロ注目の宮口投手にも期待ですね。』


 猫撫で声の女子アナの報道を聞いた彼はニヤリと笑って、ブラックホールの中へ消えて行った。まさか、


「レッジ、もしかして仙宮寺球場か?」

「ああ、おそらく。ただ、」


 俺は携帯で地図のアプリを開く。渋矢から仙宮寺ならすぐそこの距離だが、彼に呼び出されたここ明葉原からだとかなり距離がある。


「まさかあいつ、時間稼ぎのために?やられた!」


 今のブラックホールが瞬間移動のようなものならば、球場は今頃・・・。


「風也!とにかく急ごう!」

「わかってる!」


 俺は走り出した。行儀は悪いがそのまま恵里菜に電話をかけた。


「恵里菜!仙宮寺球場だ!」

「え?電話かけるなりどうしたの?」

「真白は手始めにそこを消すつもりだ!今日はよりによって大勢の人がいる。」

「私は何をしたらいいの?」

「特にない。観客の避難は協力者の人に任せておけばいい。それよりなにかいい案はないか?」

「案?」

「あいつを説得させる方法だ。場合によってはアイツの中に眠ってる俺たちの知ってる真白を呼び出せるかもしれない。」

「えー?急に言われても・・・。」

「あいつの過去、もっと知ってればヒントが見つかったかもしれないが、」

「過去?・・・ちょ、ちょっと待って!」

「ん?なんだ、」


電話が急に切れた。何かと思うと1分後にまた電話がくる。


「今日、板神パンサーズは試合が無くて移動日が明日!」

「え?なんだ急に。パンサーズ?」

「あのころの真白君を知ってる人がその球場にいるかも!」

ツクモ情報


イシク

自転車に怨念が宿ったツクモ。スピード狂でいつも笑っている。高速で動き回り相手を錯乱させる。風也より強い。

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