視点F 分裂
一通り話し終えた真白君はペットボトルの紅茶を飲み干した。メロンパンも完食だ。
「と、いくことは、今の真白君はどういう存在?私たちが前まで接してた真白君はいなくなったの?」
「おそらくユニットの力で六ノ宮真白は分裂したんだ。」
「分裂?」
「白と黒。陰と陽。ユニットによって六ノ宮真白の人格は光と影に分かれたのさ。正確に言えば、善い人格と悪い人格に、だ。元々俺は悪ガキだったからな。悪い人格の方が強くでる。ということは足りない分はユニット側が勝手に人格を補正する。つまり、オリジナル要素の多い俺が本物、アイツは作り物まみれのニセモノだ。」
「じゃ、じゃあ、その君がニセモノって言ってる真白君にはどこにいるの?」
「さあ?今頃真っ暗な精神世界にでも眠ってるかもな。10年間の俺みたいに。」
「今、会えるの?」
「そんなことできねえよ。やっと現実に出れたってのに。あいつの意識が弱い隙に。」
「会わせて。」
「・・・そんなにいうならやってみろよ。俺だって方法は知らない。」
お互いが黙る。
「話しただけ損だったか。」
彼は席を立つ。
「ちょっと、まだー」
彼は手に持ってた空のペットボトルを消した。言葉が詰まる。
「もう、無駄だ。」
彼は店から出て行った。雨は止んでいるようだ。取り敢えず私は今まで聞いた話を風也とレッジに伝えた。
ツクモ情報
ハンジ
炊飯器に怨念が宿ったツクモ。高温と蒸気を操る。寡黙で他のツクモとも会話をしたことがないという。風也より強い。




