視点R 過去編
俺の名前は六ノ宮真白。
2007年、棟京都、朝布小学校4年、当時9歳。
父親を生まれる前に亡くし、母子家庭で育った俺はクラス内ではかなりの問題児だった。毎日必ず、誰かを泣かしていた。そのたびに母親がきて一緒に謝っていた。
「先生、いつも真白が迷惑をかけて申し訳ありません。」
「六ノ宮さん、ちゃんとお子さんの指導をしてます?今回は宮口君が仲裁に入ってくれたから被害はなかったものの、一歩間違えれば大怪我させるところだったんですよ?」
「はい、本当に申し訳ありません。ほら、真白も一緒に謝って。」
母は力ずくで俺の頭を下げさせる。いつものパターンだ。
俺は世の中が嫌いだ。具体的には人間関係だ。速く一人になりたい。しゃこうじれいだとか、恋人とか、上司と部下だとか、面倒だ。そんなもの壊れてしまったらどうするんだ。場合によっては赤の他人に笑いものにされるだけだ。それならもともと作らなければいいし、あったらあらかじめ破壊すればいい。
でも、そんな考え誰も理解してくれない、されるわけがない。今の自分にできるのは他人に当たるだけ。最低なヤツだ。
そんな中、母はいつも優しく接してくれた。
「おかえりマー君、遅くなってごめんねー、お腹空いたでしょ?ほら、マー君の大好きなメロンパン!買ってきたよー」
残業で疲れ切り、夜遅く帰ってくるにも関わらず、俺に常に見せていたのは笑顔だった。この光景はいつ思い出しても微笑ましい。
そんなある日だった。教室でこんな話を聞いた。
「ねぇねぇ、知ってる?近くの神社で幽霊がでるってうわさ。」
「えー、それほんとかよw」
「見たって人はいないよ、声だけだって。」
幽霊か。それは単なる子供の好奇心だったと思う。
俺は話している男女を半ば脅して神社と幽霊が出るという場所を教えてもらった。
俺は家に帰らずに放課後にその神社に向かった。
正確には神社から少し離れた森の中にある岩場だった。かなり迷ってしまい時間がかかったが何とかたどり着いた。さて、幽霊はー
・・・・ケテ。
?かすかに聞こえたか?
・・ケテ
岩場の奥からか?
タスケテ。
女の子の声だ。本当にいたのか。声の方に近づく。声はどんどん大きくなる。
「たすけて!」
あそこだ。ごつごつした岩場の隙間に何かが落ちて光っている。あれから声がする。
勇気をもって光る物体を拾い上げる。声はもう聞こえない。白く輝くと同時に物静かな黒が光の一部を吸収している。白と黒の2色。
「なんか腕時計みたいだな、」
左の手首に当てるだけ当ててみた。すると、
「たすけて!ちょうだい!」
女の声が大きく響くと同時に頭が急に痛くなった。激しい痛みに頭を抑える。痛い、何かこう、意識が遠く、、、
気づけば周りが騒がしい。地震が起こっているのか?岩場の岩が次々と崩れていく。そして俺の頭上にある岩もすぐに崩れそうになる。
「マー君!」
俺をその呼び方で言うのはあの人だけだ。
母がこちらに向かっている。ダメだ。このままだと、お母さんが。でも来るなという余裕がない。母は俺に覆いかぶさった。岩はもう目の前まで落下してきている。
そこで、記憶は途切れた。
ー--------
「六ノ宮さん、大丈夫ですかー」
次に目を覚ました時は病院に搬送された時だ。激しい痛みとともに覚醒した。
目の前が真っ暗な空間に出た。体がフワフワする。現実ではないのか。いやでも、全身を蝕む痛みは確かにある。真っ暗な空間とは言ったものの、よくよく見れば半分が紫に汚染されているようだった。毒か?痛い。目を覚まして早々、死に物狂いになっている。どうにかできないか、どうにか。
ふと左手首に目をやった。あの時の腕時計だ。ただ一つ違うのは色が完全に真っ黒だということが、白い光はない。何か、使えないか?何か。苦しみに耐えながらもできるのは念じるだけだった。俺はまだ、死にたくない。
すると時計から波動のようなものが出始めた。わけがわからなかったが、その波動のおかげで紫の汚染部分は消えていった。のちに推測だが、これは俺の力である「破壊」による力。それによりあの蠍の毒素を破壊できたのではないかと。
ー--------
しばらくして目が覚めた。病院のベットだった。なんとか思い体を起こし鏡を見る。
(これは、俺なのか?)
顔つきが大人になっている。成長している?どれだけ気を失っていたんだ?とにかく知りたいことが多すぎる。動かないとー-。
しかし体が思うように動かず、ベットから落ちてしまった。そこで意識は再び途切れた。
ー--------
再び真っ暗な世界だ。精神の世界とでもいった方がいいのか。何が起こるんだ?突然、頭痛がした。でもあの時とは違う。頭に何かが流れてくる。
記憶?
それはニセモノが俺がいなくなってから今までの間の記憶が最新のものから順に来る。
大学受験、私生活、人との出会い。順風満帆な生活。そして最後に流れたのはー-
母親が、あのとき亡くなったという情報だった。
ツクモ情報
スタン
箪笥に怨念が宿ったツクモ。屈指の防御力を誇る。やや臆病で片言。風也よりも強い。




