視点N 変異
雨が強く降っている。
ショッピングモールに着いたが結果は予想通りだった。
イシク相手に手も足も出ない。只々高速で殴られるだけ。悔しい。7体もいるのに、一体すら倒せない。他の6体は俺の醜態を見て嘲笑っている。
「そろそろあきらめたらいいんじゃないかしら?」
「もはやこれまて、ってやつ?」
「アイツ、ソンナニツヨクナイ」
「まーまー、それほどのやつだったってことだよー」
「・・・」
「ま、見てるだけのこっちとしてはつまらないんですけどねww」
コイツらともまともに戦えないままやられるなんて・・・。いや、まだだ、まだなんとか・・・。
「ぐふぅ・・・、ッッ!」
イシクが倒れた俺の背中を踏みつける。
「ヒッヒッヒッ、もう終わりですかー?」
抗うが起き上がれない。と思うと、イシクが襟を掴んで俺を無理矢理立たせる。
「ヒッヒッヒッ、手応えないけど、もう、終わりにしちゃおかな!」
ひょうきんなやつだが、語尾が少し荒くなった。拳が思いっきり後ろに溜められる。あぁ、もう抵抗できない。終わったな。・・・恵里菜・・・。
「うおぉぉぉぉ!!!」
殴られる直前、イシクは突然襟を離した。力尽きている俺はその場に倒れ込む。
真白だ。勢いよくイシクに立ち向かう。その姿勢に少し怯んだかイシクは1発だけ斧の斬撃を受けた。真白は相変わらず震えている。しかし、駆けつけてくれただけありがたい。
「チッ、チョウシ乗りやがって!」
イシクが本気を出してきた。真白は最初は対応してたが、終いにはイシクの高速移動についていけず、サンドバッグ状態になってしまった。真白は俺より弱い。すぐに膝から倒れ込んだ。
「これで、終わりだ。」
うなだれた真白はただイシクをおぼろげに見つめるだけだ。イシクの右腕が更にゴツみを増している。
「まずい、逃げろ・・・真白・・・」
真白は逃げない。ただ、左腕を前に少し伸ばしている。
「にげろ!」
まずい、これでは。
ーーーーーーーーーー
次の瞬間。イシクがバラバラに崩れ、消滅した。
?何が起こった?やつの能力か?しかし、そうではなさそうだ。他6体の人型ツクモも戸惑っている。じゃあ、イシクは、
死んだのか?誰によって?
答えはすぐにわかった。理由は一瞬、2つの出来事を見たからだ。1つは真白のユニットが白から黒に変わる様子。
そしてもう一つは真白がニヤリと笑ったからだ。




