視点N 強敵
ポツリと雨が落ち始めた。
山城公園で真白と合流した俺たちは少し先の石畳広場に移動した。何かが暴れた形跡が公園にあったためその痕跡を追ってだ。
広場で出会ったのは初めて見る光景だった。
「ほう、もしかして君たちが片し屋ってやつ?」
「あんまりつよくなさそーww」
「まあ、暇つぶしにはいいのかしら。」
「オレ、アイツラ、ツブス。」
「はいはいおちつこーねー。」
「ヒッヒッヒッ、こりゃ楽しくなりそうだぜ!」
「・・・」
1.2.3....7!
人型のツクモが7体!しかもほとんどが言葉を話している。見ただけで伝わってくる。こいつら、強い!
「おい真白、もしかしてこの前言ってたオーゼってやつもあの中にいるのか?」
「いや、いない。向こうにいる。」
「向こう?」
真白の視線の先を探す。すると少し離れた2階建ての建物の屋上にも人型のツクモが確認できた。あいつがオーゼか。ということは一斉に8体。急に。どうして?!
「自己紹介がまだね、私はファン」
「オレ、スタン」
「ヒッヒッヒッ、イシク」
「ボクはビーレww」
「フートだよー」
「キータ、ってやつ?」
「・・・ハンジ」
名前がある、ということは裏切者の幹部か?にしても唐突すぎる。まさか狙いは俺たち?
「目は早めに摘んでおく、ってやつ?」
「さーてみんな、準備はいいかしら。」
「ヒッヒッヒッ、ちょっと待て。こんな奴ら俺一人で充分、ヒッヒッヒッ」
イシクと名乗ったツクモがしゃしゃり出てきた。
「ヒャッホォーーー!!!」
奇声と共に超スピードで襲いかかってきた。慌てて銃を構えるが銃口を向ける前に拳を1発くらう。
数メートル吹っ飛ばされる、前に高速で移動するイシクに更にもう1発パンチがくる。受け身も取れずもろにくらう。続けて、連続で、連続で、連続で。全く防げない。
「風也、大丈夫か?」
「コイツ、強・・・い、」
口の中に鉄の味が広がる。雨が強くなり、アスファルトの匂いが鼻にくる。このままじゃ負ける。そうだ。真白は、真白は大丈夫か?咄嗟に彼の方を見る。
彼は、震えていた。何もできずにいた。敵にも見限られたのか、襲われてない。ただ、膝から崩れて落ちていた。
「ここは、、、風也なんとか立てるか?いや、気合いで立て!撤退だ!」
俺の左手首のユニットが光り始め、途端に強い竜巻が目の前で発生した。
「今のうちに、真白君を連れて、速く!」
俺は傷だらけの体をなんとか動かし、真白を連れて逃げた。




