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神ノ夢見物語 日木ノ国編  作者: カイトーチ
第2章 ーフタリハパートナー編ー
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視点N ネコノ手モ

 目指すのは屋上。アイツを倒すのなら別にグラウンドでもいいのだが、攻撃した時に暴れて第三者に被害がでるといけないので、逃げ場の無い方がいい。それにあの蠍と対峙したときに使ったガスマスクも持ってきている。前戦ったときには目を開けられなかったり、息すら難しくなっていたからな。まさか、こんな短期間で2回も使うとは。

 

 しかし、油断大敵だった。単調に追いかけるだけだった熊は突然走るのを止め、口から大量の前とは比べ物にならないほどの砂糖を吐き出してきた。


「しまっー」


 防御体勢を取るがあまりの強さに吹っ飛ばされた。そのまま壁に激突。しかも運悪く左足が柱部分に強打された。


「足が・・・」


 目の前は階段だ。あとは屋上に向かって昇ればいいだけなのに。熊がこちらに近づいてくる。


「風也、こういう時こそ冷静になれ。今君にできることをするんだ。」


 今、俺に出来ること。動けない俺に出来るのはーーー。


「これだ。」


 事務所に置いてあった、新作のお仕事手袋。ラインナップはかなり変だが。何か使えるのは、


「これなら、どうだ?」


 4つの新作のうち猫が描かれた手袋をはめる。熊はもうそこまで来ていて、拳を振りかざす直前だった。


 気づいた時には階段の踊り場にいた。


「風也大丈夫か?にしてもすごい脚力だ。」


 間髪入れずに熊は砂糖をバズーカ砲のように吐き出す。  

 

 体がいつもより軽い。これなら片足でも、と俺は右足で思いっきり床を蹴る。高く飛び上がった。あっという間に2階に到達した。小学生のときに[階段を何段跳ばしで昇り降りできるか]みたいな意味不明な遊びがあったのを思い出したが、当時の記録は大幅に更新した。


 猫の能力は体の軽量化、もしくは脚力の強化といったところか。俺は熊を引き寄せつつ屋上へと向かった。


 屋上の鍵は閉まっていたので仕方なく銃で壊した。敵を倒すためとはいえ弁償を覚悟したが数秒後に熊が扉ごと破壊したので覚悟はあっさりと消えた。


 熊は砂糖砲と突進と拳を組み合わせて襲ってくる。俺は片足しか使えないながらも手袋の力で上下にかわし、時には銃で攻撃し敵の再生能力を生かして時間を稼いだ。


「風也!取ってきた!」


 壊れた扉から恵里菜の声がした。思ったより速い。助かった。隙をみて恵里菜の元に駆け寄る。アレが入った瓶を受け取る。


「危ないから俺のそばから離れるんじゃねえぞ。」


「うん。」と恵里菜が小さく返事をする。俺は恵里菜を庇うようにして立つ。そして瓶を熊に向かって投げる。熊はそれを払うかのように手を裏拳で叩こうとするがその前に俺が銃弾で瓶を破壊する。


 中に入っていた液体は少量だが確実に熊の胸にかかった。熊は何が起こったか理解できていないが間もなく体に異変が起こる。熊は苦しみだした。液体のかかった胸辺りが綺麗な白色から黒く変色している。


「アレ」というのは(濃硫酸)だ。砂糖は有機物。濃硫酸をかけると炭化が起こる。熊は再生を繰り返すが炭化のスピードについていけない。次第に黒い面積が多くなり、体がボロボロに崩れ出す。こちらを攻撃する余裕はないようだ。俺たちは静かに見守る。遂に顔も炭化が始まった。抗う気力も虚しく、熊は呆気なくその命を終えた。辺りは黒い塊が大量に転がり、地面は水浸しになっていた。

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