視点N 課題
結局その後も捜索を続けたが熊を見つけることができなかった。完全に取り逃してしまった。
和菓子店に戻ると警察が取り調べを行っていた。自分も様子を見に行きたいが近づけない。そんなとき1人の刑事がこちらに近づいてきた。
「こんにちは。渋矢警察署の切山といいます。関係者の方ですか?」
「え、いや別に関係者というか、」
返答に迷っていると、更に切山は近づきこんな耳打ちをしてきた。
「情報収集はこちらにお任せください。あなたはツクモの対策をお願いします。」
この刑事、ツクモの存在を認知している。協力者か。
「わかりました。」
小声で返した。今日はもうどうしようもないので帰るとしよう。いや、その前に恵里菜に連絡を。
「もしもし風也?こっちは避難誘導とかしてたら商店街からかなり離れちゃった。
「そうか、店周辺は警戒体制だしもう今日は帰れ。俺も今日は帰るからさ。」
「わかった。それじゃあ、あ、そういえば」
「ん?なに?」
「・・・ありがとう。」
なにに対してだ?まあ買い物に付き合ったことに、だろうか。別れの挨拶とともに電話を切る。
俺は家に帰りながら考えごとをしていた。あのツクモ、攻撃か効いていない。全身が砂糖でできていて、攻撃で部位を破損させてもすぐに再生する。風属性では精々動きを止めることしかできない。こうなれば真白と協力して・・・。いや、あいつも風属性だ。どうしたものか。有効な手段が無い。
そうこう考えているうちに家についてしまった。
玄関の扉が閉まったとき、ふと思い出した。
(ケーキ、あいつに渡したままだった。)
ありがとうってそういう意味か。




