視点N 甘味処
俺は和菓子店に入った。人は誰もいない。店内にいた人は全員逃げたのだろう。代わりに大きな物体が陳列ケースにのしかかっている。かなり甘い匂いが漂っている。
(シロクマ?)
巨大な熊だ。美しい毛並みをしていてキラキラしているようにも見える。熊は包装されている和菓子の箱を破り、中のお菓子を次々と飲み込んでいる。
「レッジ、出番だ。」
「心得ている!ところで二人きりの時間は楽しかったかい?」
「、、そんなことより集中しろ!」
レッジのやつ、やけに静かだと思ったらニヤニヤしながら見てたのか。俺はレッジから支給された銃を構える。熊はこちらに気づいていない。落ち着いて脳天に焦点を当てる。両手に余計な力は入れず引き金を引く。風の弾は熊の頭に命中した。
(?)
弾は命中した。すると熊の頭部は白い粉をまき散らしながらはじけ飛んだ。熊の動きはしばらく止まったが、数秒で頭部が再生した。さすがに熊はこちらの存在に気が付いた。熊は振り返ると大きく息を吸い込んだのち、白い粉を口から大量に噴出して攻撃してきた。
(まずい・・・!)
両腕で顔を隠し防御の姿勢をとる。幸い粉が当たった時に少し痛いだけだ。しかし呼吸をしたときに口から白い粉を吸い込んでしまった。一気に喉が渇く。
(あっっっっっっまい・・・)
胃が重くなるような甘さだ。
「風也、どうした!」
「めっちゃ甘い。」
「甘い?そうか砂糖か?!」
蓮華、洗剤ときて次は砂糖か。熊は絶えず砂糖を吐き続ける。
(まずい、前が見れない。それに呼吸もできない。)
息を少しでもすると砂糖が体内に入ってくる。心なしか体が重くなっている気がする。攻撃に移れない。




