表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神ノ夢見物語 日木ノ国編  作者: カイトーチ
第I章 ーヒトリノ覚悟編ー
25/179

視点R 声ヲ

「あのー、百合川咲さんってこの病院にいます?」


 真白は廊下ですれ違った看護師に声をかけた。


「百合川さん?病室は言えませんが、先ほど中庭の方に行かれましたよ。」


 ありがとうございます、と礼を言い重たい体を引きずり中庭に向かう。


 中庭に向かうとベンチに咲ちゃんが座っていた。体がしんどい。針を刺された時よりかはまだましだが足取りは一向に軽くならない。話すために目線を低く少女に合わせる。


「咲ちゃん、久しぶり・・・といっても昨日も会ってるか、ハハハ・・」


 笑いに感情がこもってない。それでも続ける。


「・・・・・」


 咲ちゃんは黙ったままだ。


「昨日言えなかった、続きを話すね。」


 1つ深呼吸を挟んで、続ける。


「先生ね、お父さんもお母さんもいないんだ。」


 咲ちゃんが少し反応する。続ける。


「お父さんは、先生が、先生のお母さんのお腹にいるときに車の事故で。お母さんも10年前に事故で。もう二度と帰ってこれんなった。・・・やけんね咲ちゃん、いなくなればいいなんて言っちゃダメ。いてほしくてもいてくれない人が、ここに、おるから・・・。」


 涙が溢れてきた。こういうときは泣かない方がかっこいいんだろうけどな。


「いるだけで、素晴らしいことなんよ。」


 咲ちゃんは黙って聞いている。


 地響きがする。目の前の地面が割れる。

 尾を失った蠍が現れた。目つきからして僕には興味がなさそうだ。あいつの視線は1人の少女にしか向けられていない。


「咲ちゃん、僕は君を必ず助ける。」


 そういって僕は蠍の正面を向いて立ち上がる。後ろから僕の名前を呼ぶ声がした。おそらく風也君かな。


「だから信じてほしい。君のお父さんとお母さんは・・・・」


 少し間をおいて振り返って少女を見る。声をさらに優しくする。


「・・素敵な人だよ。」


 腕に付けたユニットが白く輝いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ