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視点N 嘘
風也は静かに電話を切った。喉が少し震えていた。真白には嘘をついてしまった。本当は誰も生きていない。今回の件で搬送された人は全員、数時間後に息を引き取っている。
悔しい。守れなかった。あのときの記憶がよぎる。
「風也、その、なんといえばいいかわからないが・・・切り替えていくしかない。」
返事はできなかった。黙って頷くことしかできなかった。
もう誰も死なせたくない。と心に決めたのに、二日目にしてこの有様か。でもレッジの言う通り、切り替えていくしかないのか。非情になるしかないのか。
乾いたため息が漏れた。




