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神ノ夢見物語 日木ノ国編  作者: カイトーチ
第I章 ーヒトリノ覚悟編ー
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視点R 武器

 突然地面から湧いてきたのは白いミイラのような生命体だった。


「何?!この化け物?」

「ソイツは{イガラ}だ。雑魚敵だが数が多いと厄介なことになる」


 驚きの反応に素早くレッジが説明をする。


「真白はイガラを頼む!蠍のツクモは俺たちが何とかする!」


 ここは風也の指示に従おう。蠍のツクモには到底かないそうにない。湧いてきたイガラは5、6体。左手を前に、イガラに焦点を向ける。精神統一。風の力を意識する。


「ハッ!!」


 やや力強い声とともに風の力が弾となって1体のイガラに命中する。攻撃を受けたイガラは吹っ飛び、地面に落ちると同時に消滅し始めた。

安心したのもつかの間、他のイガラたちが次々と襲ってくる。僕は続けざまに風の力をぶつける。



 地味だ。正直に言って地味だ。次々に湧いてくるイガラたちに対して同じ攻撃を当てているだけだ。対して風也はどうだろう。少し目を向けると蠍が尾から発射するヘドロ状の球をひらりひらりと避け隙を見つつ確実に風の銃弾を当てている。屋根の上に登って攻撃を避けるなど、高さも利用している。


 さながら格闘ゲームで同じ技しか使わない初心者と手練れのプロゲーマーぐらいの差がある。


 イガラにさえも苦戦している。不甲斐ない。すると風也の方から声をかけてくれた。戦闘中にもかかわらず申し訳ない。


「お前、武器もってないのか?」


 え?武器?確かに風也君は銃を持っているが自分には何もない。


「なら仕方ない。これ使って!」


 風也が何かを投げてくる。それをなんとかキャッチする。


「・・・手袋?」


 紛れもなく手袋だ。しかし左手の分しかない。よくよく見るとボクシンググローブの絵が書いてある。


「それ、左手にはめて!」


 風也の指示通り手袋をはめる。

 するとなんだか力が湧いてきた。拳に入る力が明らかにいつもと違う。目の前からイガラが迫る。条件反射のようにパンチがでる。渾身の左ストレートが決まる。


「なんだこの手袋・・・」


 しかしながら敵を倒す効率は上がった。イガラたちを次々となぎ倒す。


「風也君ありがとう!これ・・・なんか、すごくいい感じ!」


蠍と交戦中の風也君にこの声は届いているのだろうか・・・

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