第一夜 答え合わせ
レギュレーション(ルール)説明の一部。
人狼2、多重人格者、占い師、霊媒師、騎士が1ずつ、村人5。
人狼と占いは判明。さて、残りの多重、霊媒、騎士、この3名は──
香澄「ふふ、騎士だ~れだ」
奏「はい」
四季「ぅおい」
凜「ちょ」
優姫「これは危なかったですね」
千尋「それで結構黒かったんだ」
騎士は狼に噛まれてもいけないので、あまり白くなってもという少々扱いの難しい役なのである。
奏「すみません。皆さんの危惧が当たってましたので、見ててハラハラしちゃってました」
凜「せ、セ~フ」
香澄「さてお待ちかね、どちらから行こうかしら? ふふ、多重人格者だ~れだ」
煉香「はーい♪」
恵理衣「うそぉおおん」
凪巴「正直騙されたな。言ってはなんだが、纏ってるオーラがリアル人外だから不自然に感じなかった」
奏「アハハ、ですよね」
真那花「いやいや、お二人さん。オーラとか分からんて。これだからJCで代補佐になった変態と高一でインハイ個人4位の剣士は困る」
ナイナイと半眼の呆れ顔で手を横に振る真那花。
代補佐とは、凪巴の習う武道の役職の一つで、一番低い位の指南役である。
煉香「フフ、真那花の言ったように多重アピール結構頑張ってたのに。何で噛まれちゃうのかしらね? 昼は時間たくさん使ってあえて整理し切れないくらい話したし、質疑応答ではまだ吊る者が確定してない判断難しい中、関係ない話までしたのにね♪」
恵理衣「笑顔怖い。その笑顔怖いから」
羽衣「実は初日の噛みはランダムだったですよ」
恵理衣「え、そうなの?」
羽衣「です。恵理衣は煉香ちゃん2ポイントだったのですが、私は狂人目あるかなと思い、でも確証持てなかったので深雪ちゃんに2ポイント入れて、運を天に任せました」
人狼最大トーナメントのルールでは、人狼が噛み位置を指定する際、1、2、3ポイントでどれだけ噛みたいかの意思強度を伝えることが出来る。
1人目の人狼は、余程信念がなければ、自分の後に行動順が来る2人目の人狼の意思を反映できる、1か2ポイントを入れることが多い。
そしてポイントが同数の場合、噛み位置はランダムで決まる。
真那花「マジか」
香澄「GMとして、そこは肯定するわ」
煉香「へー、そうなんだ♪」
恵理衣「ひぃい~」
香澄「それじゃ今日の処刑対象が決まったところで……」
恵理衣「異議あり!」
香澄「却下します。はい、霊媒師だ~れだ」
無情にも切り捨てられた恵理衣がガビンとなる中──
真那花「はいはーい♪」
四季「道理で潜狂分からない訳だ」
真那花「いや~、参ったね♪」
千尋「最後、あれCOしないことは考えなかったの?」
真那花「霊媒COしない場合、羽衣先輩が乗ってこない可能性あったからな。狼に言及してくれたらいいけど、違いますよあなた狂人ですかってだけ言われたら、私ポツーンだし」
羽衣「ですね」
真那花「霊媒COしたら私目線の裏付けにもなって、羽衣先輩も叩かざるを得ない。だって狼目線、味方が零確定なんだからな。私を噛んだら怪しいし、狂人扱いで残しても最終日に吊られて負けだ。最終日でやっぱり狼という推理変更は厳しいにも程があるしな。これが騎士だったら、まだ村に多重いるかもと考えてスルーの手もあったけどな。騎士対抗出たら私が狂人。出なかったら私が騎士で羽衣先輩目線すっきりするし」
最終日に狼、狂人、村が残ったとしよう。この時、村目線は村、狂人、村となる。
狂人がわかっている状態だろうと、村は当然もう一人の村にいれるしかない。
つまり狂人の一票で決まる。最終日、この狂人位置に霊媒師の真那花がいれば、当然村の勝ちになる。
奏「狼目線、あの場面で霊媒COして自分を吊り推しに動く狂人はないですもんね。メリットありませんし。あるとして優姫を狼と勘違いして動いたくらいですか。それだって別にやりようはありましたし。つまり羽衣目線ではもう乗るしかなかったと」
羽衣「仮に煉香ちゃん偽で真霊媒残ってるとしても、この状況では次の日に騎士の様子見ていなさそうなら騎士COかなと思ってたので、もう軽くパニックでした。真那花ちゃん狂人ルートも描いてたのでなんとか対応できましたですが。最後パッション任せに、少し恥ずかしいことをしてしまいましたです」
千尋「いや凄かったよ羽衣。白いと思ったもの」
四季「順番が痛かったな。次が凜だったし、最後の投票は真那花だ。狼を俺や千尋にするにも、な」
羽衣「ですね。タイミング的にも真那花ちゃんが一枚上手でした」
真那花「四季先輩と千尋先輩があまりつつかれずにいてくれて助かったぜ♪」
凜「私も生き残れて、村も勝って、万々歳だよ!」
奏「凜ちゃんは何かと危ない位置にいましたもんね」
凜「そうにゃんですよぉ。吊り位置だったり噛み位置だったりで、大変でした」
真那花「見てる分には立ち位置美味しかったけどな♪ そういや凪ぃは人狼ゲームやるのは初めてだったよな。どうだった?」
凪巴「うむ。何言ってるか分からない場面もあったが、それが惑わすものだったり、情報多くて処理し切れなかったりと、わかるからこその弊害というのもあることがわかった。下手な動きさえしなければ、わかる情報だけでも素直な推理で案外やれそうな印象だな。無論、今回は質疑応答で殆ど私に尋ねられなかったから、初心者にありがちなボロが目立たなかったということは理解している。みんなよくあんなすぐ言い返せるものだな」
優姫「その辺は慣れですかねぇ。なるべく思考回して推理してれば、意外と口から出るもの。狼だと口から先行は危険だけど。黙り過ぎても怪しまれる。寡黙吊りなんて言葉もあるし」
凪巴「ふむ。勉強になるな」
香澄「さてと、こんな所かしら? 次は時間的に帰りのバスか、遠征時かしらね」
真那花「優勝して疲れて寝てそー」
凜「あばばばば。流石真那花ちゃん。ももちろん、私も頑張るよ!」
千尋「なんかもう凄い張り詰めちゃったから、インハイ初戦緊張しないかも。少なくとも姉さんにあんな決断は求められないだろうし」
羽衣「棚から牡丹餅です?」
優姫「深く考えるのは専ら麗胡先輩と四季先輩に真那花、あとコーチ陣の仕事だからね。他はやって来たことを素直に発揮すればいい」
奏「私は若干不完全燃焼ですからね。試合は頑張りますよ。ムン」
凪巴「いい出会いがあるといいが」
初夢「あんたが言わなければ同意なんだけど」
深雪「テレビ放送ありますからね。言っても無駄でしょうがお願いしますね」
四季「心強いな」
麗胡「全くですね」
静「……」(コクン)
真那花「また、次も楽しく人狼ゲームしようぜ♪」
私立水無神楽坂学園女子バスケット部による人狼ゲーム、その第一夜──
これにて閉幕。
読了、ありがとうございました。
第一夜、これにて完結です。
楽しんで頂けたでしょうか?
今後は月一くらいで、4日~7日程かけて一夜分をあげれたらいいなと考えております。
今回はルールや流れを掴む感じで割合早めに終わらせようと思いつつ、それでも笑ったり驚いたり悩んだり共感したりして欲しいなと、終わってみると意外と詰め込んだかもという印象。
作者視点では結構満足いく出来で、いい具合に書けたかなと思います。
恐らく続き書くと思いますが(書きました)、一旦ここで完結としておきます。
ここまでお読みいただき、誠にありがとうございました。
読者の選ぶMVP実施しております。第一夜にて一番活躍したと思う子を1人か2人感想にてあげて頂けると、今後出番が増えるかもしれません(面倒であればMVPの他に別の感想は書かなくて構いません)。
勝利陣営、敗北陣営、ゲーム性、エンタメ性問わず。
よろしければお気軽にご参加下さいm(_ _)m




