表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/49

そうだ人狼ゲームしよう!

恵理衣「ハイハーイ、人狼ゲームしよう! 人狼ゲーム!」

 女子バスケットのインターハイ会場に向かうバスの中、ショートヘアの上に跳ねる癖っ毛をピョコピョコさせながら2年生の恵理衣が提案する。


真那花「おーやるやる♪」

 麦色のツインテールを躍らせながら真っ先に身体ごと挙手して賛成したのは、恵理衣の中学からの後輩でもある1年生の真那花。


凪巴なぎは「私もやるぞ。ただ見たことはあっても、やったことはない。配役やルールは大体わかる、筈だ!」

 1年生の凪巴も堂々と参戦&初心者表明。


「私はパス」

 続いて真っ先に避けたのはいつも群れから離れたがる美羽、1年生。

「右に同じ」

 同じく1年の初夢もそれに続いた。

 金髪碧眼の斜に構えたこのハーフは、とりあえずツン対応から入りがちだ。


「私も今バスケ以外に頭をメインで使うのは避けたいですね」

「……」

 3年のキャプテンで、チームの司令塔でもある麗胡は辞退。

 隣に座る同じく3年のしずかも無言で手を横に振り、棄権を表明。


四季「面白そうだ。俺はやるぜ」

 3年の副キャプテン、ベリーショートの四季は参戦表明。

 3年生の選手全員が参加しないと、ちょっと空気重くなるかもなという気遣いもあったが──

 オールラウンダーなバスケットプレイヤーとして、頭脳戦はそこそこ得意としている自負もあった。


凜「GMジーエムは誰すりゅの? わ私は絶対無理だよ?」

 普段から噛み噛み1年生の凜が自信なさそうにあわあわしながら話す。やや長めのショートカットが合わせて踊った。

 普段から噛みまくってるので狼としては強そ──いや、村利むらりが少なくてすぐ吊られるかもしれない。


香澄「それなら私がやるわ」

 1年生でありながらアシスタント・コーチを務める白金色の髪をした美少女──香澄がGMジーエムに立候補。


真那花「香澄んなら先輩相手でも容赦ないし問題ないな♪」

 真那花から肯定が入りGMジーエム──ゲームマスターという名の進行役は決定。

 因みに「香澄ん」は真那花特有の呼び方である。


煉香「フフ。私はプレイヤーとして参加したいわ」

 香澄の妹でちゃっかりバスに乗り込んだ煉香も参加。

 病的なまでの白い肌に紅い瞳と銀髪のゴスロリ少女。見た目でよく小学生に間違われるが年齢的には中学生。


深雪みゆき「わたくしもやります」

 ボスっと座席に沈んだ奥ゆかしいぽっちゃり少女の1年生、深雪も参加。


かなで「私と優姫も参加です」

 赤毛の2年生、奏が隣の窓際に座ってゲームしてる優姫ゆうきの分も一緒に参加表明。


千尋「姉さんもやるよ」

 一人称が姉さんという、2年生の千尋も参加。

 左側に纏めたサイドポニーが軽やかに揺れる。


羽衣うい「では参加者は1年生4人に2年生は全員で5人、3年が四季先輩のみで、そこに煉香ちゃんを加えた全部で11人ですね」

 座席にちょこんと座っている2年生、羽衣が自身も参戦するていで参加人数をまとめる。


恵理衣「11人かぁ、役の内訳はどうしよ?」


優姫「人狼2に多重、霊媒師、占い師、騎士が1人ずつ、村人5でよさそう。5吊り3人外。村は吊り縄に余裕あって、人狼は片方騙れなくもない。役持ちが出過ぎることもないし、どっちでも割と楽しめる配役」

 2年生の優姫がアーツ(携帯電話やスマホのような電子機器の今世代型の総称)でゲームをしながら案を出す。

 騙るとは役職でないのに役職を名乗ること。戦術の一つである。

 真剣なのかやる気ないのかわからない顔をしたショートヘアの少女が、窓に映った。


千尋「姉さんは賛成。一度それでやってみて、問題ありそうだったら変えればいいと思う」


 結局、優姫はこういった方面の話に強いので特に反対の声はあがらず、全員それでOKとなった。


 ルールを確認し、香澄がアプリで順番と配役を確認。


 かくして、私立水無神楽坂みなかぐらざか学園女子バスケット部による人狼ゲームの幕が上がる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
i595071
※バナーは寿々喜 節句さんより
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ