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転ぶといけないから、手つないどく?
彼がそっと私の手をとって数歩前を歩く
夜の砂浜、波うつ音と、二人の足音。
気づいてた?
あなたが好きだと言ってたから、長いスカートはいてきたの。
そんなこと聞けるわけないけれど。
手をつないだまま、なんとなく、海を見ながら歩いて話す。
今日みんなで出かけたの、おもしろかったね。
まーくん、ちゃんと、てんちゃんのこと送れたかな?
ひでくんは、かずちゃんのこと、気に入ってるよね。絶対。
そんな保護者みたいなことばっか言って、お前はどうなんだよ?
え?そりゃあ・・・ねぇ。
・・・なんだよぅ。
ぎゅっと手を握ったら、ぎゅって握り返してくれる。
・・・あぁ。まいった。
今日は夢でもデートできそうだ。
心の中でそっとつぶやく。