うちの先生がめんどくさく過ぎるんだが。
「数学の78ページ、を開いてください。昨日の続きからですよ?」
先生の授業はいつも退屈だ、それは数学だからとか勉強が嫌いだからとかそういう事を言っているんじゃない。この数学の先生でうちのクラスの担任の“佐田先生”の授業が真面目過ぎて退屈なのだ。
「コラ!!九条治君!ちゃんと先生の話を聴いてくださいよ!!先生、悪魔呼んじゃいますよ?」
そして、凄く面倒くさい。悪魔呼ぶって、それは高校生に言う言葉なのか...最近で一番ひどかったのは
「そんなことしてると、津々ちゃんに叱ってもらいますよ!」っだ...流石にあの時は最悪だった。
津々は学校にファンクラブがあってその会員は当然クラスにもいるんだが、その人たちからの嫉妬の視線はそこから一週間僕に向けられたのだ...迷惑極まりない。
「ふゎぁぁぁぁ....分かったんで先生、今から寝るけど起こさないでくdtr....。」
「あ!ちょっと、九条治君!寝ないでくださいよ。」
僕の眠気は先生の声では覚めず、まぶたはそのまま視界をシャットアウトした。
――――あぁ~、聞こえてますか?
暗い空間に透き通った声が響き渡る。だがその声は聞き覚えは無く、言っていることは不思議と分かるが決して日本語ではない。
――――えっと、この声が分かる人!近いうちに色々起こると思うけど...まぁ、頑張ってね☆
(は?それはどういうことだ)
そう不思議な声が預言?を告げ終えた途端、暗闇は光に包まれ次は聞きなれた声が聞こえてきた。
「ま~さ~き~、もう帰るよ?早く起きて!」
津々の呼びかけで目を開けると、教室は夕暮れ色に染まりきっていて今にも日が落ちそうになっていた。僕が辺りを見回すと教室は少し古びている椅子と机だけが規則正しく並んでいるだけで、僕たち以外の生徒たちは見当たらなかった。
「ふゎぁぁぁぁ、あれ?みんなは?」
僕が眠そうにキョロキョロしていると、突然頭のてっぺんを軽い打撃音と共に衝撃が走る。
[ポッーーーン]
「いい加減にしなさい!今何時だと思ってんのよ?もうみんな部活も終わって、帰り始めてんのよ!?」
「痛ッ!冗談だよ、冗談....別に叩かなくても良いだろうに?」
僕は津々の持っている用紙で叩かれた頭をさすりながら、さっきから気になっていたその用紙の事を尋ねた。
「津々さん、その用紙はまさか....また表彰されたんですか?相変わらず天才ですねぇ~、流石に女神と呼ばれるだけあるわ!」
僕は津々をそう言ってからかった。すると彼女は目つきが鋭くなり、次はシャレにならないほど強いチョップが脳天に振りかざされた。
[バッン]
「痛っっっった!!?チョット今のは強すぎでしょ....。」
「さぁ、バカなことやってないでさっさと帰るわよ!今日はアンタの家泊まるんだから!」
(そうだった、今日は津々がうちに泊まるんだった!!そう考えただけで帰るのが嫌になる....)
何故かうちの両親は津々の事をすごく気にっていて、週に一回も家に泊めているのだが、もしそのことが津々の親衛隊にバレたりなんてしたら僕は殺されかねないのでいつもこの日は陰鬱な気持ちになるのだ。
本当に勘弁してほしい。
「ほらー、早くして?今日は私が手料理をふるまってあげるんだから!」
「げッ!?最悪だ...」
僕はこれから起こるであろう悲劇を思い浮かべながら、津々と帰宅するのだった。
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
―――――――少し前、天界にて。
「め、女神様!!!!大変です!」
一人の天使が慌ただしく天界にある女神の宮殿に駆け込んできた。その天使は今にでも心臓が口から出てきそうな顔をしながら草木で創られたベッドに座っている、とある女神に用件を伝えた。
「魔王サタンが!地獄から脱走し、人間界に姿を消しましたッ!!!!」
すると、それを聞いた女神は立ち上がり天使に言った。
「まぁ!それは大変!私も行かなくては!」
「......はッ?」
そう言うと、女神は支度を始めた。その行動を見た天使は一瞬愕然としたが正気に戻り、女神を止めた。
「女神様!なりません!貴女様が天界を離れてしまったら他の女神様たちの仕事が増えてしまいますし、何より危険です!サタンは悪魔の中でも最強の魔力を持っているんですよ!?いくら女神様とは言えですね」
「そんなことはどうでも良いのですよ、私は大丈夫です!必ずサタンを捕まえて見せますから!あと、貴女は付いてこなくて大丈夫です!じゃあ!」
女神は天使にそう言い残し、宮殿を飛び出しサタンを追って人間界に降りてしまった。
「あ!ちょっと、女神様~~~~!?行かないで下さいよ!」
こんなことが起きているなんて、このときの勝狐は知るわけが無かった。
こんな感じの少ない文で書いていきます。