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第三章 純粋な黒

ロデム様たちと先の戦いのことで談笑していると、

ふと、黒狼が私を見ていることに気づく。


いぶかしんでみても仕方ないので、呑んでいるか?とグラスを持った手を上げて

黒狼に向けると、彼はグラス片手にこちらへとやってきた。


どうやら話をしたいようだ。

決して寂しかったのではない

………だろう。



彼はテーブルに着くと話を始めた。


(やはり寂しかったのではないだろうか)



--------


話は黒狼が仲間の囮となるべく、

陣地から飛び出したところまでさかのぼる。



彼は狼の速度で陣地を飛び出すと包囲網を掻い潜り、

この戦いを終わらせられる唯一の男を捜していた。



しばらくすると、

北西市街地の奥でニヤリと赤く目を光らせたセイナの姿を発見する


彼は一気に加速する

…ミツケタ!




が、

彼の横っ腹めがけて特攻してきた黒い実体


ここまで来て不意打ちされるわけにはいかない。

彼はベクトルを無理やり捻じ曲げた横っ飛びで

黒い実体と相対する位置で急停止


身体を起こしてその黒い実体を見ると、


まさしく、自分がいた。

いや、自分に良く似た偽者の黒狼がいた


その困惑する黒狼に部下を引き連れたセイナがブレードを片手に近寄ってきた。


金を払ってお前のマスクを作るのに使うとは、

自分のクズっぷりにさすがにッ !!

とセイナは語るが早いか、

黒狼(偽者)向かってヤレと合図するのが早いか、


黒狼(偽者)は彼に襲い掛かる

彼はブレードで特攻、偽者も手を手刀の形に待ち構える


互いの死線を越えたとき、刃のぶち当たる金属音が響く、

偽者の手刀は硬質ブレードの刃を火花を上げて弾かれる、


黒狼は返す刀で偽者の仮面を切り裂いた

偽者の動きは止まる。


…!!

壊れた仮面から覗くその顔は…。


偽者がつぶやく


…オニィ……チャン…。


妹の金狼だった!!


それを見たセイナはカネを扇に開いて扇ぎながら

自分の妹とも知らずに打ち据えるとは、困った「おにいちゃん」だな、と。


金狼の周りを≪DEADLINE≫の仲間たちが取り囲む、


ラフィアンタウンから出て行けば生きて返してやるが?

それともどこかに売ってしまって良いかね、大事な妹を。


彼はそれを聞いて、心にある怒り、憎悪などを合わせた

黒いもやのようなものが全身めぐっていくのを感じ覚醒、力がみなぎっていくのを感じ、

金狼の周りの人間を目にも留まらぬ速さの漸撃を浴びせかけ切り伏せる。


セイナは

仕方ないワンちゃんだと。いつの間にか金狼の後ろに立ち

金狼の首筋に冷たい刃をあて、左目が赤く光らせた。


死ぬぞ?


そこで覚醒した黒狼の力は抜け、

必要以上に使われた力のせいで昏倒する。


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