ベッドと生活を
散歩中にちょっとやってみようかな。と思って書いた小説です。期待しつつ期待しないで読んでください。
「おかえりなさい」
自分でも信じがたいが、この子は「ベッド」就寝用の物体である。
「ご飯にする?お風呂にする? そ・れ・と・も…」
「疲れた、寝る。」
「つまんないご主人様ですね~。」
俺は早速寝室へ向かう。
だが寝ようとも寝る場所がない。ソファで寝るという手もあるが、俺の中ではベッドじゃないと寝てはいけないという謎のルールが存在している。
「おい、早く物体化してくれ。」
「してほしい?してほしいのかご主人様。」
「あぁ、してほしい、してほしい。」
なぜ主人である俺がこんなことを言わなければいけないのか不思議だが、そこを一々突っ込んでいるときりがないので突っ込まない俺。偉いなぁ俺。スーパー偉いぞ、俺。
「断ります。」
「なんでお前に許可を取らなきゃいけないんだよ!」
「疲れた理由を具体的に、且つ分かりやすく説明しなさい。さすればご主人様は眠りにつけるだろぉう、ほっほっほ。」
もう意味がわからない。ベッドに疲れた理由を説明するとか、絵面が半端なくおかしい。あとこいつの口調なに、なんなの。
まあいいだろう、俺様の大事な、すごく大事な、総理大臣の存在ぐらい大事な睡眠の為だ。説明してやろう。
「俺はな…世界の為に頑張ってるんだよ?」
「というと?」
「分かるかぁ?タンス、机、様々の物体を擬人化して悩みを聞くんだ。分かるかぁ?いや、お前には分からない、絶対に分からない。だってお前も俺に擬人化された1つの物体なんだからなぁ!」
俺には特殊能力がある。物体を2回叩くと物体が擬人化するという神スキル。
「あらー。分かりませんねー。ごめんなさーい。でも机とかってどんな悩みを持ってるんですか?」
にやにやしながら、よし、場を読んだと言わんばかりの自信満々な顔でこちらを見てくる。
「ん?いや、それはあれだよ。いっつも子供に落書きされるーとか…掃除を一切してくれないーとか…」
「それ聴いてご主人様はなにかできるのですか?」
負けた。場を読んだな。うん強い。俺に勝てるなんて中々だな。いや、これはあれだよ?テストだよテスト。こいつがどれだけの力を持ってるか試しただけだからね?勘違いしないでよねっ!
「どうすれば寝させてくれるのだ。」
彼女は考えた。この場合相手はベッドなので彼女という表現はおかしいが俺は彼女と呼んでみたかったから彼女と呼んだ。
ー3分後ー
「分かりました。添い寝をしましょう。」
「寝る場所がないんだよ!」
「知ってますよぉ。どうぞ、私の上に」
床に寝転び彼女は言った。
「いや、待て。ベッドと添い寝ってなんだよ。添い寝ってベッドでするんじゃねえの?」
「いやいや、確かに私はベッドです。でも今は物体じゃない。ベド子なんです!」
ベド子ってなんだよ。スライムの失敗作みたいな名前しやがって。
「お断りだね。俺は心を許した人としか添い寝しない主義でね。」
「でもいつもご主人様が眠りについた後に横で寝てますよ?」
「嘘だね、2回叩かないと擬人化しないはずだ。」
「一度擬人化された物体は、自由に擬人化できるっぽいですよ?」
そうなのぉ!?初めて知ったよ!あぁ、そうかもしれない。だってこいつ玄関まで迎えにきたんだから。
「ご飯食べてお風呂に入ったら寝ましょうか。」
「分かった、分かった。」
そして俺は夜食、入浴を終えて、ようやく眠ることができた。
なかなかスムーズに進めました。そんなに面白くないってことですかね。