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メニュー5 実来の失敗と不満




 学校に不穏な空気が流れている。以前から噂されていた変質者の女がとうとう我が校の生徒に牙を剥いたのだ。


 いままでは声を掛けるだけだった変質者はその生徒に対して首を絞めるという明らかな悪意を持って傷付けた。


 幸いその生徒は近くをパトロールしていた警察の人によって助けられた。しかし襲われたことに酷くショックを受けたその生徒は精神が不安定になり、今は病院のカウンセリングを受けているそうだ。


 首にハッキリと付けたれた手跡は、赤黒く染まっていて、かなりの強い力で絞めたのかがよく分かる。


 お陰で部活動は一時中止。大会が近い部活のみ親が必ず迎えにくることを条件に特別に許されてはいるが。


 そう、変質者はまだ捕まっていない。


 駆けつけた警察は変質者の女を取り押さえようとしたがその前に女は逃げ、追襲われた生徒を放っておくわけにもいかなかった警察の人は、生徒の保護を優先した結果だ。


 ………この変質者には未来も多大な迷惑を被っている。実来は空手部に所属していて夏の公式戦に向けての特別特訓が行われていたのだが、変質者のせいで活動時間が大幅に削れてしまった。


 剣道、合気道、柔道と続いて今度は空手を極めてみようかと思い立った未実は弱小《・・》空手部と有名なこの部活に入ったのが運の尽き。


 畑違いとはいえ武道に明るい実来の入部に空手部は諸手を挙げて歓迎。最初こそ顧問(女)の先生も普通に接してくれていたが公式戦が近くなるにつれて特製水分補給ドリンク(不味い)とか特製クッキー(かなり不味い)とか特製塩キャンディー(激マズ、吐くかと思った)とか差し入れしてくるのだ。だが周りの部員の人達はそんな顧問の明らかな贔屓(実来にとっては嫌がらせ)に対して文句は言わず、むしろ『頑張ろうね! 一緒に!!』と満面の笑みで両手で掴まれた手をブンブンと振られた………。


 この時初めて知ったのだが、実来は一年生でありながら公式戦への参加が決まっていたらしい。


 普通は二年、三年生を優先して参加するのではないかと、そう言った実来に対して部長は、



『空手部に入っている部員のほとんどは幽霊部員なの。真面目に活動しているのは手塚さんを含めても五人だけ………。この公式戦で結果を出せなければ部費は縮小されるは、部室は今より小さい場所に変えられるは最悪廃部もあり得るんだよ? ふっふっふっ……そんな事、絶ッッッ対させないわぁあ。散々馬鹿にしてくる柔道部(男子)の奴らにギャフンと言わせるまでは………』



 部長それもうただの私怨では……。というよりも話に聞いていた部員数に比べて活動している人数少ない理由はそれか!!



『真面目にやってる子達は個人戦と団体戦に全員出るから安心して? 学年なんて関係ないもの。ただ手塚さんには個人戦と団体戦は両方出て貰うからそのつもりでいてね♪』



 すぐさま退部届を出そうとしたのは無理はないと思いたい。いや、公式戦に出場するのが嫌なのではなくて、部長とその他の部員達の混沌としたヤる気(柔道部男子に)がちょっと付いて行けそうになかっただけで……。


 結論として退部は出来なかった。顧問の先生もグルになったいたのだ、おのれ!!


 ……もっとも変質者のせいで部活動は削れてしまっているので満足な練習があまり出来ていないのだが。仕方がないので実来は実家にある鍛錬場で鍛錬しているけれども。


 ただ一つだけ訂正すると実来は部活動が満足に出来ないことに対して被害があると思っていない。家自体に鍛錬場が装備されているから。実来が憤懣やるせないと怒っているのは部活帰りに寄っていた喫茶店~彩~に行けなくなってしまったことだ!


 空手の鍛錬は家でも出来る。だがしかし! あの至福の時間をもたらしてくれる美味なスイーツとお茶はあそこでしか味わえない! テイクアウトする時間さえ自主的に行っている、鍛錬ができなくなってしまう! 未来の場合、迎えは父親がくる所為で喫茶店の営業時間に間に合ったとしても、何が悲しくて父親と喫茶店でお茶しなくてはならないのだ! しかも父は、実来が大会に出ることを知って家での鍛錬にまで付き合ってくれるというありがた迷……いや、優しい父親なのだ。そんな父に喫茶店に行きたいなどとてもとても言えない。(そんな暇あったら鍛錬するべし! の父のせいで………何故来てくれなかった母!!)


 用が有るので、とそそくさ帰ろうとした時の部長の、あの晴れやかな顔と『……お家の用事じゃ仕方ないよね………………手塚さんがお気に入りの喫茶店に行きたいがためにズル休みするわけじゃないんだし』というセリフ………。


 怖い…。何が怖いって言外で信じてるよ? って顔してるのに目が全然笑ってないところが。



 …………結局、その日は最後まで部活をして帰った。



 嗚呼…! 私は一体何時になったらあの喫茶店にいけんの!? スイーツた~べ~た~い~~!!!















ただ単に、喫茶店~彩~のスイーツが食べられないことに不満タラタラな実来さんの別名・愚痴編です。


次回は一様、物語が進展します。


しますよ? 多分、きっと……えぇ。サッ(眼そらし)

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