母への手紙
前略、天国のお母さん。
お元気ですか?僕はそれなりに元気です。
相変わらず従姉達はうるさいですが、あ、うるさいと言ってもいい意味でだけど、僕に構ってばかりです。
きっとあの家族にとって男と言う人種は珍しいから構いたくなるのでしょう。……そう思わせてください。
ところで、今日は高校で入学式がありました。
生徒会長は美人でしっかりした人だと、ステージの上で綺麗な美声を披露している姿を見ていて思いました。
新入生代表は零名だったんですよ?けど、初っぱなから登校拒否しやがりました。
きっと徹夜で『実験と研究』をしていたのでしょう。呆れます。
なので代わりの人が断腸の思いで登段していたのかと思うと、頭が痛くなります。
それと、なんでかは知らないけど、校長ではなく、理事長が登段してました。あと予想外にその人、ちっちゃいんです。ええ、もう小学生と思えるくらい。年齢は不詳なんですよね、何故か。
そんなこんなで入学式を無事終えたので安心……は無理かも知れないけれど、温かい目で見ていてください。
僕はこの学校生活を楽しいものにしてみせますから。
親愛なる貴方の息子 季乃寺春より