人間の良いとこと悪いとこ。
しばらくして、君の涙は落ち着いた。
そして、君は俺の真剣な目を見て、少しだけ何があったのかを話してくれた。
「彼に会いに、待ち合わせ場所に行ったの・・・」
「そしたらね?」「彼はまだ、そこにはいなかった」
「だから、私は彼が来るのを、そこでじっと待っていた」
「寒かったけど、彼の為だと思って長い間 待っていた・・・」
「だけど、30分くらい経ったとき、彼は他の女を連れて私の歩いていったの」
「しかも、私なんかには目もくれず、本当の彼女さんと仲好さそうに笑っていた・・・」
「だから、彼からは何も直接聞いてないし、話してすらいないけれど、フラれたってことなんだと思う」
そして、君は泣きすぎて真っ赤になった目で俺を見つめ、続けて言ったんだ。
「もしも、亮太君みたいに、彼が優しい人だったら・・・何か変わっていたのかな・・・」って。
俺はそれを聞いて、『君は本当に優しい人なんだ』って思った。
だって、そうだろ? 君は裏切られたんだ。 君は捨てられたんだ。 なのに、君はまだ想っている。
もしかしたら、まだ希望があるかもしれないと。 もしかしたら、まだチャンスはあるかもしれないと。
君はそんなことを考えているのかもしれないが、 たぶんきっと、君は自分でも気づいているだろう。
「もう、彼との関係は終わったんだ」ってことに。 そういう、悲しい現実とやらに・・・・・。
だから、俺は再び涙を流しながら、 それでも必死に堪えようと空を仰ぐ君に近づき、強く抱きしめながら言う。
「じゃあ、今度は俺に守らせてくれよ」「今度は絶対、お前を裏切らない男だから、安心して守られてろよ」って。
そして、俺は君に優しく口づけを交わした。 それは、俺の覚悟の数だけ。 それは、俺の想いの数だけ。
そして、君の涙は周りを癒す優しい笑顔に変わっていった。 それは、俺からの愛ゆえ。 君の愛ゆえに。。
クリスマスという聖夜に、何人もの恋人たちは交わり、愛を祝う。
しかし、そんな中、 君たちの陰では大勢の人たちが働いている。
――君たちは、そのことを忘れないでほしい。
君たちの愛が、2人だけで築き上げられたものじゃなく、支えがあって初めて成り立つものなのだと。
決して、この世界は数人だけで廻っているわけじゃない。 君たちだけで廻っているわけじゃない。
何人もの人が互いに手を取り合って支え合うことで、経済というものが廻り、世界というものが廻るのだ。
だから、そういったことをクリスマスに愛を誓う人たちは忘れないでほしい。
要するに、その幸せを願っているのは、僕等も一緒。簡単に別れる恋人に意味など皆無。