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球根  作者: たいしょ~
9/10

#9

自分の顔だったり、性格だったり…「自信」ある人なんて、あまりいないよね?


…あたしもそう…


まして、環境が環境だから、自分さえ信じられなくなって…


…だけど、こんなあたしでも必要としてくれる人がいて…それが今の彼なの…



と、一息で話して…



自分のカンを信じて、今はオシャレなバーにいる…


…すごく、彼が大人に見える…



あたしの初めてのお酒は、「ファジーネーブル」


全然種類がわからなくて、「とりあえず生」と言ったあたしを、軽く笑って『生もいいけど、女の子におすすめのカクテルがあるから、それにしてみない?』と優しくエスコートしてくれる彼…



あたしはついひねくれた気持ちになり、彼にふざけて言った…


「こうやって何人口説いたんですか?」


『…お前なぁ…確かにここはたまに来るけど、いつも一人だよ連れてきたのも、お前が初めてだ…』


「そうなのいや~モテそうだからさ優しいしね…すごく慣れてる感じだし…」


『あいにく、優しくもないしモテねぇよ(笑)余裕なんかないしさ…だって今だってすごく心臓がドキドキしてるし…ホラね?』


彼に手を引っ張られて、彼の胸に当てられる…


…確かに早い気もするけれど…あまりわからない…


「あまりわかんない」


と言いながら、あたしは彼の正面から隣に座った…


…もちろん手は繋いだまま…


『えっちょおま』


「…なんか近くにいたくなって…」


…あたしには、あたしの中には、黒い生き物がいる…

何もかも手に入れたい…尽きない欲望の様な、黒い仮面…その名前は…"本能"だ…


少し慌てる彼を、冷静に判断するズルイあたし…


彼の代わり?とかじゃなくて「愛されることの気持ちよさ」に気付いてしまった…



彼の好意を裏切りながら、またわかってるのに騙されながら…二人はお互いの暗黙のタイミングで…唇を重ねた…



もう止まらなくなった感情を抑えられず、今日初めて会ったのに…体も重ねてしまった…


…ただ彼は、ひどかった…

最中にも、「彼氏いるのに」「彼氏かわいそう」とか…言ってた…


なら、抱かなきゃいいのに…と思いつつ、目の前の優しさにすがりつく、あたしは汚い女だ…



一度だけの「賭け」は、あたしの「女」の部分を膨らました…



…ごめん…あたしは弱いし、ズルいよ



声も届かない「彼氏」に、心の中で謝って…またあたしは汚れていった…

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