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球根  作者: たいしょ~
8/10

#8

あたしはなぜかその人に興味が出てきて、一緒にご飯を食べることになった…


「いきなりごめんな?」


『別にいいよ家にいてもつまらないし…』


「俺も一緒だよ一人で食べるご飯は、なぜかおいしくないしね…」


『それ、すごくわかる』


「…だろとりあえず食べようぜ」


…食べながら、普段なら彼氏に言えないようなことも、なぜか彼には普通に話せた…


それを受けて、彼も少しずつ自分の事を語りだした…

彼は、たった5歳しか変わらないのに、すごく大人だったし、何より余裕があった…


彼の両親は離婚していて、まだ幼い兄弟を守るために、社会に早くから出ていたみたい…


「…だろ顔は童顔なのに、しゃべりはオヤジだからさ(苦笑)会社の人たちがみんな、オヤジだからかな?(笑)」


『オヤジとは思わないよ大人っぽいとは思うけど…』


「…それってあまり意味変わらなくない」


『…あたしの中ではすごく違うんだけど…』


「…マジで」


『けっこうマジで』



…本当にこの人はよく笑う…


人を明るくできる「何か」を持っているんだろう…


あたしの頭の中とは正反対…


…と、お互いの自己紹介も含めて、いろんな事を話している内に店員の「早く帰れ」オーラが強くなり(笑)

店を出ることにした…


「俺は、ああいうの嫌いなんだよねサービス業なんだから、早く帰りたいのはわかるけど、あの態度はないよな~」


『…でもあたしが店員なら同じかも…(笑)』



「…そうかなぁ違うと思うんだけどなぁ」


…彼は思ったことをはっきり言う…


そこもあたしと正反対だ…


「…そういえば、機嫌治ったねじゃあそろそろ帰るかい?」


『…その方がいい?』


「いや…俺はまだまだ付き合えるし、まだ一緒にいたいけれどさ…お前には彼氏も親もいるからね…」


『…そうだよね…でも…どうしたらいい…?』


「…それは、ズルいよちゃんと自分で決めなよ?自分の考えで動きなよ?俺は合わせるよ」


『…え~っそれもずるくない?』


「ずるくないよだって俺は"自由"だもの」


…その"自由"というフレーズに、心が震えた…


あたしはなんて"不自由"なんだろう



先輩からよく聞かされた「尾崎」を思い出した…


「自由になりたくないかい熱くなりたくはないかい」


…"自由"になりたい


あたしはたった一度だけ、「自分」を「信じる」ことにした…

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