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球根  作者: たいしょ~
7/10

#7

あたしが急に引っ張ったから、彼はバランスを崩して転んだ…


「…いって~急にどうした?」


…気付くと、あたしは優しくされたことが嬉しかったのか、元々泣きたかったからなのか…涙をこぼしていた…


「…おいお前、忙しいヤツだな~」


…と言いつつ、そっと頭を撫でてくれた…



『…ありがと』


「…どういたしまして」



…ひとしきり泣いたあたしは、一つ大きな深呼吸をした



『…もう大丈夫』


「充電完了?いいね早くて…」



『どうしてあたしに優しくしてくれたの?』


「特に理由はないよ?人が泣いてるのを慰めるのに理由が必要か?」


『…きっと育ちがいいのねあたしはそんなこと、教わらなかった』


「…どうだろうね(苦笑)育ちなんて良くはないと思うけどね」



『でもありがと』


『何かすごくイライラしてた気持ちが、全部淋しさに変わったみたいでさ…』


「あぁ…たまにあるね味方が誰もいない気がする瞬間」


『…どうしてわかるの?』

「(笑)…なんとなく」


『確かにそんな気分だったんだ…彼氏も遠くに行ってしまってさ…』


「そうなんだでも遠くにいるからって、彼女泣かせるのは感心できないね…」

『違うの…あたしが弱いから…』


「違わないさその弱さも知った上で、付き合っているんじゃない?普通はね?」


「…もしかしたら彼氏さんは、あまりあなたのことが好きではないのかもね…」

『そんなことは絶対にない失礼なこと言わないでよ』


「…ごめんごめんでもさ考えてみてよ?もし俺が、その"弱さ"を知っているなら、それこそ"絶対"にそばにいるそれが"彼氏"じゃない?」


…何も言い返せない…


何だろう?この人合ったばかりなのに、あたしのことがわかるみたい…


しかも説得力がすごいある…


「もしかして、その彼氏って恋愛したの初めてじゃない?」


『…って言ってましたねてかどうしてわかるんですか』


「…どうしてだろうね俺にもわからないやただ俺が"彼氏"なら一人では泣かさないけどね…暗くなったね家の人、心配しないかい?」


『いや、家は別にいいんだけど…ですけど…』


「…(笑)敬語はいらないよ?じゃあこれから暇?」


『一応は…春休みだから…』


「春休みか…いいなぁ」


『えっ高校生じゃないの』


「…嬉しいねでももう20歳だよ…よく間違われるから慣れたけど」

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