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球根  作者: たいしょ~
6/10

#6

彼がいなくなって、まだ一週間…


あたしはもう自信がなくなっていた…


…やっぱり守られていたんだなぁ…


そんな事実に気付いても、今はただ淋しいだけ…



毎日メールは来るけど、さすがに電話は高いからね…


その瞬間だけは満たされていても、終わった直後に「いない」という現実が襲ってくる…



…会いたい…


…淋しい…


たった一週間で、あたしの中は真っ黒になってしまった…


でもワガママなんて言えない…


迷惑だし、良い子でいないと…



そんな中、また親との折り合いが悪くなった…


あの時は心配してくれたのに、時間がたてば元通り…

やっぱり繰り返すんだね…


…とは言え、あたしも会えないイライラをぶつけてたりしたから、お互い様かもね(苦笑)



とにかくあたしは春休みだというのに、ため息ばかりついていた…


全てがつまらなく思えて、部屋からも出なくなった…


彼がいない世界なら、出て行ってもきっと仕方ないだろうからね…




彼がいなくなって10日目、前の夜に彼と約束したから、仕方なく外に出てみる…


…やっぱりつまんない…


彼との約束は「外に出ること」だったけど、どうせ出たんだからと、久しぶりに街に行ってみることにした…



本やCDを見たり、ショップに行ったり…


でもやっぱり、隣にあなたがいないとつまんないよ…


日が落ちていくのと一緒に、あたしの目からも涙が落ちる…


誰にみられてもいい…とにかく今は泣きたかった…



「…どうしたの?」


…急に声をかけられて、心臓が止まるかと思った…



『…何でもない』


「何でもなかったら泣かないじゃん?」


…ウザっ


『何でもないほっといてよ』


「…いや、普通ほっとけないでしょ?」


『いいから、かまわないでよ』


「…わかったわかった」


…変なタイミングで声をかけられたから、スッキリ出来なかった…


…もう少しだけ泣こうと思い、大きく息を吸い込んで…吐いて…


「おい」


…また、さっきの人だ


『邪魔しないでって言わなかった?』


「…とは言われてないけど、ごめんそうじゃなくて…これ、やるよ」


…と、ふいに投げられたのはポカリだった…


「泣くと水分足りなくなるから、それでも飲んどけ邪魔してごめんな」


…と、彼が帰ろうと背中を向けた瞬間に、あたしは彼の腕を掴んでいた…

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