#2
…あれはあたしだった…
イモムシみたいに、動けない「あたし」
胸を開いても「空っぽ」な「あたし」
とても無惨な…「あたし」
ただ、あたしは繰り返した…
傷つくたびに、「彼女」の胸を泣きながら開いた…
そして、また縫って…
まるで傷をそこに閉じ込めるみたいに…もしかしたら「心」が見つかるかも…なんて期待して、落胆して、開いて、縫って…
…そう…
あたしは「あたし」を傷つけたんだ…
「イジメ」の標的から抜けたあたしに「友達」ができた…
家庭がうまくいってないあたしには、その「友達」はとてもありがたかった…
そう…「依存」してしまうほどに…
…「信頼」のうち「信」より「頼」に傾いてしまった
そして小学生の「友達」にその「重さ」を受け止める術はなくて…
また少しだけ一人になった…
そして、中学生になりあたしは、少しだけ「ぐれた」
正確に言えば、「普通」から少し「はぐれた」
だけど、少しだけ救われた気がした…
少なからず「痛み」を抱える「仲間」ができたからだ…
その中である先輩が「リストカット」を始めた…
…流行だったのかもしれない…
テレビなどのマスメディアも特集していたしね…
ただあたしには先輩の巻いている包帯から滲む「赤」の斑点が、生きている「リアル」の色だった…
…すごく自分に自然に入ってきた…
あたしは「彼女」をもう傷つけない…
傷つくのは自分だけでいい…
…その痛みと赤…
…生きてる証…
それだけがあたしができる自己主張だった…