表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
球根  作者: たいしょ~
2/10

#2

…あれはあたしだった…


イモムシみたいに、動けない「あたし」


胸を開いても「空っぽ」な「あたし」



とても無惨な…「あたし」


ただ、あたしは繰り返した…


傷つくたびに、「彼女」の胸を泣きながら開いた…


そして、また縫って…



まるで傷をそこに閉じ込めるみたいに…もしかしたら「心」が見つかるかも…なんて期待して、落胆して、開いて、縫って…



…そう…


あたしは「あたし」を傷つけたんだ…




「イジメ」の標的から抜けたあたしに「友達」ができた…


家庭がうまくいってないあたしには、その「友達」はとてもありがたかった…


そう…「依存」してしまうほどに…


…「信頼」のうち「信」より「頼」に傾いてしまった


そして小学生の「友達」にその「重さ」を受け止める術はなくて…


また少しだけ一人になった…




そして、中学生になりあたしは、少しだけ「ぐれた」

正確に言えば、「普通」から少し「はぐれた」



だけど、少しだけ救われた気がした…


少なからず「痛み」を抱える「仲間」ができたからだ…



その中である先輩が「リストカット」を始めた…


…流行だったのかもしれない…


テレビなどのマスメディアも特集していたしね…



ただあたしには先輩の巻いている包帯から滲む「赤」の斑点が、生きている「リアル」の色だった…



…すごく自分に自然に入ってきた…


あたしは「彼女」をもう傷つけない…



傷つくのは自分だけでいい…




…その痛みと赤…


…生きてる証…



それだけがあたしができる自己主張だった…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ