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球根  作者: たいしょ~
1/10

#1

当たり前に愛してくれる人はいますか?


この質問の「当たり前」の答えは…「親」でしょうが、ごく稀に「愛されない」ことも…悲しいことにあります…



そして「当たり前」の愛情をもらえなかった子どもは…「壊れる」ことが多い…



…世界はあたしを見ていない…


…独り…



あたしがいじめられた原因は簡単だ…


「うまく笑えなかった」んだ


「なんか、アイツの笑い顔変じゃない?」と、クラスのリーダー格の奴が言った、簡単なその一言で「世界」は変わってしまった…



次の日からは、クラスの全員があたしを無視した…


教師も自分の保身ばかりで、「あなたにも原因はあるんじゃない?」と言い放ち取り上げようとしなかった…



でもあたしは、泣かなかった…


親にも相談なんてしなかった…



なぜって?



泣くことは許されていなかったし、「親」というのはただの「記号」でしかなかったからだ…


あたしには、「親」はいない…いるのは一匹の「メス」とそれに群がる「オス」だ…



だから、あたしには「名前」という拠りどころもないんだ…



だからあたしは、「演技」を続けた…


親の前では「良い子」のフリ…


学校では「空気」のフリ…


ただ、あまりに反応がないから、つまらなかったんだろうね?


標的はよく泣いて、わめく、他の弱い子に移ったけど、「同情」はしなかった


そんなのしても「意味」はないし…



ただ、あたしは逃げ場所なんてなかったから、早く大人になりたかったんだ…



そして、中学生になる頃、あたしはもう「ヘン」になっていた…


感情の表現の仕方が、わからなくなってしまっていた

「1+1」の答えもわからなくなるくらいね…



家庭では「DV」なんて生ぬるい「虐待」が日常になっていた…


毎日、理不尽なことで殴られ、泣けば、また殴られ…

反抗すれば、やっぱり殴られ、黙ればまた殴られて…


傷つける相手のいないあたしは、大好きだった「人形」を「傷つける」ことで、バランスを保とうとしたんだ…


…髪の毛をむしりとって、腕や足も頭もはずして…


残ったのは「イモムシ」みたいな胴体だけ…


あたしは、そこに「心」が入っている気になって…


カッターで切ってみたんだ…


あたしと同じで「空っぽ」だった…


同時に背中が冷たくなって、なぜだか泣いた…


泣きながら、急いで開いた胸を、糸と針で塞いだんだ…


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