#1
当たり前に愛してくれる人はいますか?
この質問の「当たり前」の答えは…「親」でしょうが、ごく稀に「愛されない」ことも…悲しいことにあります…
そして「当たり前」の愛情をもらえなかった子どもは…「壊れる」ことが多い…
…世界はあたしを見ていない…
…独り…
あたしがいじめられた原因は簡単だ…
「うまく笑えなかった」んだ
「なんか、アイツの笑い顔変じゃない?」と、クラスのリーダー格の奴が言った、簡単なその一言で「世界」は変わってしまった…
次の日からは、クラスの全員があたしを無視した…
教師も自分の保身ばかりで、「あなたにも原因はあるんじゃない?」と言い放ち取り上げようとしなかった…
でもあたしは、泣かなかった…
親にも相談なんてしなかった…
なぜって?
泣くことは許されていなかったし、「親」というのはただの「記号」でしかなかったからだ…
あたしには、「親」はいない…いるのは一匹の「メス」とそれに群がる「オス」だ…
だから、あたしには「名前」という拠りどころもないんだ…
だからあたしは、「演技」を続けた…
親の前では「良い子」のフリ…
学校では「空気」のフリ…
ただ、あまりに反応がないから、つまらなかったんだろうね?
標的はよく泣いて、わめく、他の弱い子に移ったけど、「同情」はしなかった
そんなのしても「意味」はないし…
ただ、あたしは逃げ場所なんてなかったから、早く大人になりたかったんだ…
そして、中学生になる頃、あたしはもう「ヘン」になっていた…
感情の表現の仕方が、わからなくなってしまっていた
「1+1」の答えもわからなくなるくらいね…
家庭では「DV」なんて生ぬるい「虐待」が日常になっていた…
毎日、理不尽なことで殴られ、泣けば、また殴られ…
反抗すれば、やっぱり殴られ、黙ればまた殴られて…
傷つける相手のいないあたしは、大好きだった「人形」を「傷つける」ことで、バランスを保とうとしたんだ…
…髪の毛をむしりとって、腕や足も頭もはずして…
残ったのは「イモムシ」みたいな胴体だけ…
あたしは、そこに「心」が入っている気になって…
カッターで切ってみたんだ…
あたしと同じで「空っぽ」だった…
同時に背中が冷たくなって、なぜだか泣いた…
泣きながら、急いで開いた胸を、糸と針で塞いだんだ…