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◎第41話◎ お味噌汁。

 

「い、痛っ……」


 頭の奥の方からズンズンと痛みが走る

 それに胸もモヤモヤしていて時々軽い吐き気も襲ってくる

 頭を擦りながら身体を起こす


 昨日は確か加藤さん達と一緒にお酒を飲んでいた

 それで………それで……そうだ…潤一がどうしてか分からないけど加藤さんとの待ち合わせの場所に居た

 でも、酔い潰れていて女性に膝枕をされていて……その人は三橋さんという潤一の……


「あっ!?」


 ようやく頭が働き始める

 昨日の出来事が思いだしてきた

 そして、自分も三橋さんが進めていくお酒を飲んでしまって酔い潰れて…


 辺りを見回すと自分の部屋では無い

 綺麗に整理整頓されていて、本棚にはたくさんの漫画や小説が綺麗に並べられている

 それにどこからか鼻唄のような耳の中にスーッと気持ちよく入ってくる音程の音が聞こえてくる

 二日酔いの身体を無理やり動かし、こっそりドアを開ける


「ふふ~ん♪ふ~ん…あ、おはようございます。谷口さん」

「あ、おはようございます」


 エプロン姿でおたまを片手にニコニコしながら三橋さんがこっちを向く

 可愛いエプロン姿がここまで似合うのも凄い


「もう少し待っててくださいね、お味噌汁できたら朝ごはんにしましょ。

 あ、お仕事の方は大丈夫ですか?今日は土曜日ですけど」

「あ、はい。休みなので大丈夫ですけど…」

「よかった。…よしっ、味も完璧。さぁて朝ごはんしましょう」


 パパパっと食器を出して、テーブルに2つ並べる

 三橋さんは「そこどうぞ」と言ってエプロンを外し、前に座る


「それじゃいただきます」


 三橋さんは手を合わせ、私も合わせる

 そして、まずお味噌汁から口に付けた


「…おいしい」


 辛すぎず、薄すぎず。ちょうどいい味噌の味付け

 これだけで二日酔いの頭の痛みが飛んでいきそうな勢いかもしれない


「お口に合いますか?」

「ものすごく美味しいです」

「よかった。さて、食べながら作戦会議でもしましょうか」

「作戦会議?」

「はい。潤一君と谷口さんのラブラブ取り戻し大作戦です」

「え、でも…」

「大丈夫ですよ~、加藤さんと尾崎さんにも協力をしてくれますんで」

「でもどうやって…」


 三橋さんはニコーっと笑うと持っているお箸を止める


「とにかく頑張るんです!」

「え?それだけ…」

「十分ですよ。頑張って取り戻そうと思えば何だってできるんですから」


 グッと親指を立てて「頑張ってください!」と言うと再びお箸を進める


「とりあえず、後ろからフォローはさせてもらいますよ」

「でも」

「大丈夫です!谷口さんは言いたいことを潤一君にビシビシ言っちゃう覚悟してくださいね」


 ビシビシ言うと言ってもその時になったらなんて言えばいいか分からない…

 三橋さんはニコニコしながら今後の予定と潤一の過去の恥ずかしい事を楽しそうに言いながら朝ごはんを食べていった



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