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◎第36話◎ 少しの変化。

 

 杉本部長に話を聞いてからどこか仕事がしやすくなった気がする

 今までつっかえていた物が取れてスッキリしたからかもしれない

 他の人にも「何か良いことありました?」って言われるぐらいだから、よっぽどなんだろう

 それにこんなに早く仕事を済ませたいと思ったのは久しぶりだ


「谷川さん、それじゃお先に失礼します」

「ええ」

「あ、終わったらちゃんとメールくださいね、色々お話聞きたいので。でわ!」


 加藤さんは手をビシッと上げて部屋を出ていく

 私も頑張って終わらせないと…


「美~穂~ちゃん!」


 ようやく仕事も最終段階に入ったところに電話が鳴り、取ると第一声がこれだった

 携帯のを耳と肩で挟み、話しながら仕事を進めていく


「加奈子、どうしたの?」

「今、仕事中?」

「ええ。あと少しで終わるけど」

「んじゃこれから飲みに行かない?ご相談がしたいの」

「ごめん、加奈子。この後、会社の子と約束が…」

「あら?そうなの?男?」

「違うわよ」

「なんだ…まぁ良いわ。それなら私も混ぜて欲しいなぁ…」

「勉さんはどうしたの?」

「あの人、出張中。帰ってくるの明日の朝なのよ」


 加奈子は不満そうな声で話していて「実は不倫なのかも」とありもしないことを言う始末だ

 加奈子が勉さんの不倫現場を見たと騒いでから2人の中は今まで以上に良くなったし、勉さんが不倫するとは思えない。加奈子を怒らせるとどうなるかってことは彼が一番分かっているだろうし、勉さん自身、加奈子にべた惚れのような気がするから。


「で、でも…相手に聞いてみないと…」

「んじゃ聞いてみて。返事聞けたら電話してきてね。よろしく」


 ぶちっと電話を切られてしまった…

 加奈子は時々こんな風に急なことを言ってくる時がある。そして、私のことを分かっているからこうやって頼みさえすれば必ずやってくれると思っている

 そんなことは分かっているのに…どうして私は加藤さんに電話をかけてしまうんだろう…

 電話帳の中から加藤さんの携帯番号を出し、発信する

 5回ぐらい鳴って加藤さんが出てくれた


「あ、おつかれさまです!」

「おつかれさま。えっと…」

「あ、仕事終わりました?すみません、こっちが意外と盛り上がっちゃってて」

「え、ええ。ごめんなさい、まだ仕事は終わってないの」

「あ、そうだったんですか?すみません、なんか」

「いえ、それは私の方こそごめんなさい。それで…えっと……あの、加藤さん?」

「はい?」

「私の友達がこの後のに付いてきたいって言うんだけど…い、良いかしら?あ、ダメならダメって言ってくれて良いわよ。あの子が無理やり言ってるだけだから」

「谷川さんのお知り合いですか?…ん~良いですよ。あ、私の知り合いも連れてって良いですか?」

「え、ええ。ごめんなさい、私の我が儘言ってしまって」

「いえいえ、皆で楽しい方が良いですから」

「ごめんなさい、それじゃ早く仕事終わらすわ」

「はい、すみません。お疲れ様です」

「ええ。それじゃありがとう」


 電話を切って、加奈子にOKというメールとあと1時間ぐらいで終わると伝えておく

 そして、仕事を終わらすためにパソコンへと向かった


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