◎第24話◎ 加藤さんの家
悩みを打ち明けてから時間が経つ
加藤さんは少し「ん~」と少し考えて「私の家で飲みませんか?」と言う
私は特に断る理由も無かったからお言葉に甘えて加藤さんの家へ向かう
加藤さんの家は普通のマンションで、玄関に男性の靴が置かれていた
「あ、あの…迷惑じゃ」
「ん?あ~大丈夫ですよ。弟ですから」
加藤さんは靴を脱いで先に入っていく
私もその後を追い、ドアを開けると1人のジャージを着た男の子がソファに座ってゲームをしていた
「こらっ!もう11時だぞ」
「あ、姉ちゃんおかえり~」
「さっさとゲームやめて部屋に戻りなさい。今から女同士の話があるんだから」
「ふ~ん。あ、どうも、弟の和志です。バカな姉ちゃんがお世話になってます」
「こら、お姉ちゃんをバカ呼ばわりするな!誰のおかげで学校行けてると思ってんのよ」
「そこらへんは感謝してるってば。んじゃ、え~っと…姉ちゃんの友達さん、ごゆっくりしてください」
和志くんは愛想よく笑って部屋へと入っていく
加藤さんははぁ…と1つため息を付いて「ごめんなさい、生意気で」と言ってここに来る途中に買ったお酒をテーブルに並べていく
「それじゃさっきの話の続きなんですけど、私が思うにその潤一君はまだ子供と大人の間にいると思いますよ」
「子供と大人の間?」
「はい。うちの和志より話を聞く限りじゃ子供なのかなぁって。まぁうちは特別なんですけど」
「特別?…あ、ごめんなさい」
思わず聞き返してしまったけど、聞いたらまずいことかもしれない
慌てて謝ると加藤さんは笑いながら「大したことじゃないですよ」と話し始めた
「私の親は私が大学3回の時に事故で亡くなったんですよ。まぁ私はなんとか大学を出て今の仕事に着いたんですけどね」
「それじゃあの和志くんの学費は」
「あ、私が出してます。よかったですよ~、今の職が給料良くて。それに親の慰謝料もありますから苦しいわけじゃないんですけどね」
「……凄いわね、加藤さんは」
「そうですか?谷川さんの方が凄いと思いますけどねぇ。私より若いのにもう大きな仕事とか任せられてるし」
「そんな皆が頑張ってくれてるからで」
「そんな谷川さんが凄いからですよ。まぁ私たちの力もあると思いますけど。って話が外れましたね。
とりあえず、諦められないなら再アタックしてみたらどうですか?谷川さんみたいな女性にアタックされたら惚れない男なんていないと思いますけど。子供でも大人でも」
私から潤一にアタックなんてできるはずがない…
潤一にはもう好きな女性がいる。あのファミレスで一緒にいた可愛い子だ
もちろん、潤一を好きな気持ちは大きいけれど私の我が儘でアタックなんてしてはダメ。
加藤さんは私が思っていることを感じ取ったのか「まぁ谷川さん次第ですけどね」と付け加えた