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◎第16話◎ 加奈子

 

 最近、潤一の様子がおかしい気がする

 いつもならすぐに返ってくるメールでも返事が遅くなったりもするし、何より最近は私の家に来ていない


 いつもの潤一なら週に2回は必ず来ていた。小さな用事から泊めて欲しいとか色々な理由で

 しかし、最近は来てくれない。


「谷川さん、谷川さん」

「え?」

「もぉ~寝不足ですか?なんだかボーっとしてますよ?」


 加藤さんがコーヒーを入れてくれる

 そうだ、今は会社にいるんだから仕事をしないといけない。潤一のことも気になるけど今は仕事が大切だ

 目の前にある仕事を終わらすために一旦潤一のことは頭から離して仕事に集中する


 そして、19時

 仕事も終わり、私はカバンを持って家に帰るために会社から出ると、ニコニコしてこっちを見ている人がいた


「加奈子!」

「やほ~、美穂。元気してた?」

「ど、どうしたの?」

「いやぁ最近一緒にご飯してないでしょ?だから今日どうかなぁって」

「うん、行こう」


 加奈子は私の高校の時の友達で、高校時代に一番仲の良かった親友

 私なんかと違ってすでに結婚をしていて旦那さんとラブラブだってメールで聞いている


 私と加奈子は一緒に近くのお洒落なレストランの中に入り、適当にメニューを頼む


「相変わらず仕事一筋って感じね。美穂は」

「そう?」

「あ、そうそう。あの彼氏とはどうなったの?ほら、6つも年下の」

「え?…順調よ」

「ふ~ん…最近はあまり上手く行ってないな」


 加奈子は「どう?」と言いたげな顔で私の顔を見てくる

 見破られてる…でも、加奈子に相談するのは良いかもしれない

 加奈子は私より恋愛経験豊富だし、年下の子とも付き合ったことある


「最近、あまり会ってないの…」

「どのぐらい?」

「2週間から3週間ぐらい」

「は?たったそれだけ?」

「それだけって…週に2日は会ってたのよ?」

「週2って美穂…あんた仕事忙しいんでしょ。いつもこんな時間に遊んでるの?」

「ううん。いつもは私の家に潤一がいる」

「へ、へぇ~…でもまぁ…潤一君だっけ?その子も大変なんでしょ。大学生なんだし今テスト期間中じゃない」

「そうだけど……」


 確かにそうだけど…前期の時はあまり会えなかったけどメールは頻繁にしていた


「美穂さ、潤一くんのこと縛ってない?」

「え?」

「潤一君も6つ下ってことは今19でしょ?そりゃ出会いもたくさんあるよ」

「出会い…」

「そ、女の子との出会いね。合コンとか色々あるだろうしね」

「………」

「たまにはさ、冷たく当たってみるのも良いんじゃない?」

「冷たく?どうして」

「男ってのはバカだからね。優しくされているってことに馴れちゃってありがたみを忘れるのよ。だから、たま~に冷たくしたら、あれ?なんでなんだろ…って悩ますの。年下の彼氏なら尚更。

 ちょっとは美穂のありがたみってものを感じてもらわなきゃ」

「冷たく…」

「付き合って1年でしょ?ちょうど倦怠期みたいな感じもありえる時期だしやってみれば?」


 加奈子の言う通り、自分では縛っていないという意識でもいつの間にか縛っていたのかもしれない

 だから、ちょっと前に会った時もどこか考えているような悩んでいるような感じで反応が遅れていた


「……」

「まぁ美穂はそういうのできなさそうだもんね~。昔から人の悲しむことって出来ない子だったし」

「そういうわけじゃないけど」

「とりあえずさ、向こうから会いたいって言うまで頑張ってみれば?」

「…そうね。私からメールするのはちょっと抑えるわ」

「そうそう。それじゃこれから頑張るために栄養付けなきゃね!」


 加奈子はそう言うともう1品追加して、昔話に花を咲かせた





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