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ダイケ  作者: ochitsuki
4/5

オムマ入学試験 第一話

その日はよく晴れていた。

炎の国の首都は、人であふれている。


オムマ大学の正門前には、約二百人の受験者が集まっていた。

入学試験のためだ。


学長はすでに自己紹介を終え、これからルールを説明するところだった。


学長は軽く咳払いをする。


「では始めよう。まずは今のルールだ。自分のタルモを見せろ。隠すな」


え……。


俺と同じくらいのタルモを持ってる奴でも、もっと量が多い。

くそ、思ってたより不利かもしれない。


一番少ないわけじゃない。

でも、ここでトップ25に入れる気はしない。


ダイケは緊張しながらそう考えた。


学長は声を張る。だが口調は落ち着いていて、冷静だ。


「君は失格。君もだ。そこの少女も……失格だ」


何してるんだよ!?

タルモが少ない奴を切ってるのか!?


で、でも不公平だろ。

量が少なくても、戦いが強い奴はいるはずだ。


あの男、何考えてるんだ。


俺はたぶん大丈夫だろうけど……意味がわからない。

……黙っておこう。余計なことは言わない方がいい。


ダイケはそう判断した。


「最後に、そこの赤髪の少年。君もだ」


学長は小さくため息をついた。


「これで150名だ。粗は取り除いた」


ざわめきが広がる。


「次はペアを組め。各ペアに水晶玉を一つ渡す。

合格するには三つ必要だ。つまり、他の二組から奪え」


空気が一気に張り詰める。


「殺しは禁止。致命傷も、四肢の切断も禁止だ。

どちらかが気絶すれば、そのペアは失格」


さらに続ける。


「三十分間、どのペアも水晶玉を奪えなかった場合、ランダムで一組を失格にする」


ざわ……。


「試験は25組が合格するか、三日経過で終了だ」


そして最後に。


「一時間以内にペアを組み、北の市境――イグボの森へ向かえ。

時間内に到着できなければ失格だ」


説明は簡潔だった。


ルール多すぎだろ……。

しかも最初の選別と同じで理不尽だ。


まあ、殺しが禁止なのは助かるけど。


……とにかく、ペアを探すか。


ダイケは動き出した。


その時。

ダイケの倍のタルモを持つ男の周りに人が殺到する。


この場で一番タルモが多い男だ。

誰もが彼と組みたがっている。


だが――


同じレベルの相手を選んだか?

違う。


実力重視で選んだか?

違う。


男は傲慢な笑みを浮かべ、一人の胸の大きな少女を見つめた。


「俺と組みたい奴は多いだろう。だが興味はない。

俺が選ぶのは――あの美しい体の君だ」


周囲がどよめく。


金髪で、裕福そうで、どこか自信に満ちた男。

普段なら女子は断らないタイプだ。


だが――


え?

ここで一番強い人が、わ、私と?


でも……言い方がちょっと気持ち悪い。


……けど断る理由はないよね。


少女は近づく。


「わかった。組みましょう。名前は?」


「アーサー・ネヴィルだ、麗しき君。君は?」


余裕たっぷりの笑み。


「リ、リン・マドウです……」


周囲の男子がざわつく。


あいつ、強い相手じゃなくて、一番スタイルいい子選んだだけだろ。

どんだけ自信あるんだよ。


一方、ダイケは迷っていた。


誰に声をかけるべきか……。

もうほとんど決まってるのに。


その時。


一人の少年が近づいてきた。

同じくらいの身長。水色の髪。背中には斧。


にこっと笑う。


「君、強そうだね。組まない?」


……俺が強そう?


なぜだ?


ダイケはタルモ探知を発動する。


……俺より少し少ない。


でも――


俺と組もうとするってことは、量だけで判断してないのか。


……やめよう。探知し続けたら無駄にタルモを消費する。


「いいよ。組もう。俺はダイケだ」


少しだけ胸が高鳴る。


「オビオトだ。決断早いね。

さ、森に向かおう。遅れたらまずい」


相変わらず明るい。


やがて、ほとんどのペアが決まった。


残りは四人。

三人の少女と、一人の少年。


そのうち一人の少女は、他の三人よりかなりタルモが多い。


だが――


「私が組むわ。私の方が強いもの」


「いいえ、私よ。戦術なら私の方が上。それにこんな弱そうな男とは組みたくないし」


言い争いが始まる。


その時。


「……ちょっと黙って。

私が組みたいのは、この子よ。あんたたちとは組まない」


強い少女が二人を遮った。


はっきりした口調。迷いがない。


スタイルは派手ではない。

だが、その自信と態度が目を引く。


選ばれた少年は真っ赤になる。


「え、えっと……じゃ、じゃあお願いします」


もう一人の少女は舌打ちする。


最悪……あの女と組むのか。


こうして最後のペアも決まり、全員がイグボの森へ向かった。


――本当の試験は、これからだ。

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