01.死、そして転生
「あ、これは死ぬな」
こっちに猛スピードで向かってくる車を眺めながら、そう悟ってしまった。不思議と恐怖は湧いてこなかった。なんなら、開放されたような気持ちにもなった。
心残りがあるとすれば、好きな小説の新刊が読めなくなってしまった事だろうか。
次の瞬間、私は車に勢いよく跳ね飛ばされた。
痛みを感じる暇もなかったのか、私の意識はそこで途絶えた。
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私の人生はそこそこに良かった。
両親は優しく、経済的な面でも普通よりかは少し恵まれた環境に生まれ、恵まれた環境で育ってきた。そんなこともあってか、地元では良い中学に行き、高校はそれなりの私立に進学した。
友達がいなかったわけではない。
中学や高校では仲がすごくいい友達も何人かできて、大学生になった今でも一緒に遊びに行ったりする仲の友達も何人もいる。
未来に不安があったわけでもない。
高校で進路をどうするのかを決めさせられて、現役でそこそこの大学にも行き、ついにはもう何ヶ月かで大学を卒業する頃にもなっていた。
しかし、ずっとこの人生はなにかが違うような気がしていた。
そんな色褪せた日々を送って生きている中で、私は刺激を求めていたのか、ゲームや小説、それらのものに本気で打ち込んでいった。ゲームを遊んでいるときや小説を読んでいるときだけは、退屈な日々を忘れることができた。
ゲームや小説の中の世界での人々は、みんな目標や志を持って、それを追い求めて必死に生きている。きっと私はそんな生き方に憧れたのだろう。
別に死にたいわけでもないが、
私が本当に求めている生き方はこの世界では難しいのであろう。
私は日々そう感じていた。
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