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能力が全てをすべる世界で剣術だけで成り上がる「修正版」  作者: 紡雪


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第9話 最強の兄弟2

(闇鬼が威力重視で光樹がスピード重視とバランスを取っていたから光樹の火力にはあまり驚かない。)

そう…今は闇鬼が起きる前に光樹を倒すということが俺の勝利する前提条件。


それは光樹もわかっていたらしく、

「スピードを上げていくぞ?」

そう言って正面衝突ではなく、時間稼ぎを選んだ。光樹のスピードは先程より上がっている。

光の槍が気づけば目の前に来る。やはり光樹の方がスピードが一段階上……

けど…筒姫の力を借りている今ならこのスピードについて行ける。槍をギリギリで避ける。

避けた後はすぐに離れていわゆるヒットアンド戦法に徹してきた。

(流石に闇鬼が来れば弱っているとはいえ俺の勝率は大幅に下がる……。)


「逃げるなよ。強いんだろ?」

刀夜が煽るが光樹は構わずこの戦法を続ける。

お互いの体力が地道に減っていく耐久戦。でも当然、一度神姫解放をした俺の方が先にバテるのは見えている。

早急に決着をつけたい所だ。

………。

迷っていると光樹はまさかの行動をとる。

「そろそろか……」

光樹はそう呟く。

光を操る能力……刀夜はその能力を甘く見ていた。

手に光を纏い、地面に投げつける。

俺は嫌な予感がして地面から離れる。

地面がひかり、やがて地面が爆発する。運動場の8割が消失した。

「俺に火力がないと思ったか?光は集めれば集まるだけ威力が上がる。」

その言葉になにか引っかかる。

(どういうことだ?)

考えていると、

(太陽の光!!あれがそのまま彼の力となる。つまり、彼の体力は”無限”であり、時間が経てば経つほど”強くなる”ということです!)

その筒姫の言葉に俺はハッとなる。

(ヒットアンドア戦法はそのためか!!)

(まずいですね……それに比べてこちらは長くは持たない……)

「エネルギーが無限なら一撃であいつを倒すしかないってことか……」

そんなことを考えていると、光樹は笑う。

「どうやら”俺達”の勝ちみたいだな!!」

手に纏った光を闇鬼にぶつける。

(まさか……)

その最悪の考えが当たってしまう。

「助かったぜ!兄ちゃん。」

闇鬼が立ち上がる。どうやら今のは光の力で回復をしていたみたいだ。

(しくった……まさか回復までできるなんて。)


どんどん絶望というどん底に落とされていく……。


(諦めないでください!私は見てきました……貴方が成長していく様を!こんなところで終わるような人じゃないでしょう?)

筒姫が刀夜に語りかける?

俺は微笑み、刀を抜く。

「諦めるなんて、誰が言ったんだ?」

(そうだ……まだ負けてない。)


「兄ちゃん本気の技であいつを潰そう!!」

「そうだな……」

二人はそれぞれ両手に光と闇を纏い、一つの球体に纏めていく。それは今の時点で半径5mの大きさでさらに大きくなっていく。


光陰流水こういんりゅうすい


やがて光と闇が混ざった巨大な球体は直径20mのものに完成する。

「これが俺達兄弟の力だ!!」

俺目掛けてそれを投げる。



「バカッ!!仲間に誘うのになんで殺そうとしてんの!?」

第3位は屋上から一部始終を見ていて、そう慌てる。

「...大丈夫よ」

それに対して第2位はすんとしていた。



刀夜は刀を再度力強く握り前を見る。


「真夏の盤 「初夏しょか」」


桜が散り、木には緑が見え始め、気温は徐々に上がっていく夏の始まり。


強力な熱を帯びた斬撃が飛んでいき、球体とぶつかる。火花が散って互角と思わせるが、力の差がありすぎるため斬撃をものともせず、球体は進み続ける。

「それで限界か?」

闇鬼が言う。

「まだだ!!」


「真夏の盤 「中夏ちゅうか」」


暑さはピークを迎え、セミは飛び交い、夏の星座が顔を出す。夏の中盤。


「2連撃だと!?」

中夏も同じく斬撃として飛んでいき、初夏にぶつかり、技が増す。その威力は光陰流水と同等にまで追いつき、球体は止まる。

「うぉぉ!!」

二人は力を振り絞って球体にそれぞれの力を注ぎ続ける。球体はさらに大きくなり技の威力が増す。

刀夜はそんな時、ジャンプをして飛んでいた。

(この剣術は三つの斬撃が重なった時にあらためて完成する技。)

筒姫がつぶやく。

俺は二つの斬撃が混ざりあった場所を目掛けて刀を振る。


「真夏の盤「晩夏ばんか」」


暑さは徐々に消えていき、緑は紅葉に変わりつつある。夏の終わり。


そこで技が完成する。


真夏の盤 奥義「彼岸ひがん


その剣術は光陰流水を突破してそのまま二人に直撃する。

大きな轟音の後、静かな一時が訪れる。

(お疲れ様です。)

筒姫がそう言って、俺の刀は元に戻る。

闇鬼は気絶している。光樹は……

「お前どんだけ強いんだよ……俺たちは二人係だったんだぞ?」

その言葉を言って気絶する。


俺はその言葉を聞いて微笑む。

「実際は俺達”三人”の勝利だけどな…」

そう、この勝利は佐保姫と筒姫がいなければ勝てなかった。それどころか勝負になっていなかったと思う。


俺は刀をしまい、寮に向かって歩き出す。

(今日はもう疲れた〜帰って寝よう。)



その頃屋上では複数人の会話があった。

「二人とも負けちゃった……」

第3位と呼ばれていた女性がつぶやく。

「そこはどうでもいいだろう?なぜあいつは来ない?計画はバレてしまっているのか?」

一人の男性が聞く。

「バレては無いと思うけど……また計画の練り直しが必要かもね。」

第3位がそう答える。

「俺はあいつに興味が湧いたぞ?あんなに強いのになんで100位以内にも入ってないんだ?」

「如月刀夜か……これから沢山利用させてもおう」

「第2位さんも興味津々ですか?」

「……そろそろあの二人を回収しに行こうか」

「濁すなよ〜。」

そう言ってその人たちは運動場に向かう。



一方剛はというと……

「お盆だから墓参りはしないとな……」

俺はお盆ということもあって何とか頼み込み、2日間実家への帰省を許可されていた。

これでよしっと!俺はお墓の掃除を終え、

「じぃちゃん!俺頑張るから天国で見ててくれよ!」

そう言って立ち上がると見覚えのある人がお墓の前に立っていた。

(あれは第1位の……関わらないでおこう今日明日はお盆休みなんだから戦闘とは無縁でありたい……)

そう思ってコソコソと実家に帰る。

あっ!そこで俺はあることに気づく。


(そういえば刀夜に実家に帰るって言い忘れてきた!!まぁ〜いっか!)

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