第5話 中間テスト3
中間テスト開始前
下城は刀夜と剛の二人を探していた。
(二人ともどこにいるのかな?)
「中間テスト開始!」
教師が宣言をする。
(あれ?始まっちゃった?)
「私も行かないと…」
すると前で序盤で潰し合っている人達が絡んでくる。
「じゃま...」
下城は薙刀を出して数人をなぎ払う。
「なんだアイツ!?」
「全く見えなかった……」
(二人とも先に行っちゃったのかな〜?)
辺りを見渡して大きな竜巻が見えた。
(刀夜は面倒事を避けるだろうし、あそこには間違いなくいない……)
下城は予想を外してそのまま反対に向かったためそこから会うわけもなく……
そして現在に至る。
(本当に居ないなぁ〜)
そう思っていると、一つの閃光が向かってくる。
下城はそれをかわして薙刀で振り払う。
(あれ?捉えたのにな……)
私の薙刀はその閃光を捉えていたはずなのにその場には何もなかった。
さらに早くなってまたその閃光はやってくて、一度止まる。
「おいらは38位、走れば走るほどスピードが上がる能力だ!!ちなみにスピードに上限はない!」
(スピードが早いだけで運良く生き残ってきた系なら逃げ足が早そう……)
そんなことを考えているとスピードを上げて向かってくる。
「はぁ…どんなに速くても意味ないわよ?」
「解放……」
「平安……」
そうつぶやいて地面に薙刀を刺す
「さぁ……逃げなさい?逃げ切れるものならね…」
「なんだ?」
地面からゾンビのような何かが出てくる。
それはおいらが逃げようとしたところから複数出てきて、あっという間に四方八方を塞がれてしまう。
「この人たちはね……平安京が無秩序になった時、残念ながら亡くなってしまった人たち」
(そして…)
「江戸……」
刀”菊一文字”を持った一人の男性が出てくる。追い込まれた彼に向かい、
「化け物だ………」
そうして彼は下城の校章を見つめる。
「なっ!お前の順位は……」
そう言いかけたところで一太刀で殺める。
「解除……」
下城はそう言いながら地面に刺した薙刀を抜き、巨大な球体を見つける。
(なんだろう?あれ...)
目を凝らすと微かに斬撃が見える。
もしかしたらと思った下城はそこへすぐに向かう。
時雨を倒した刀夜たちは少し休憩してまた森を進んでいた。周りには多くの人がいるが争いは起きない。沈黙が続く。
「試験終了まで残り1時間か……そろそろ距離にして3分の2ぐらいは進んだか?」
剛が言う
「終盤はさらに戦いが激しくなるだろうし、気を抜かずに行こう。」
「そういえば教師達もあまり見ないからな……ゴール前にかたまっているかな?」
そんな会話をしていると剛が、
「スタート前にも言ったが、俺を見失ってもお前は一人でも前に進めよ?」
「わかってるって。」
(なんでこんなに念を押して言うのかな?)
そこで二人は止まる。
「どうやら最後の試験らしいな……」
剛が濁った表情で呟く。それを聞いた刀夜は
「何言ってんだ?さっきこの試験の山場を超えただろ?」そう剛に強がって言う。
目の前の光景には数十人の教師達と多くの生徒達が戦闘を行っていた。その後ろにはゴールが見えている。
奥では数人の教師が倒れていてその更に奧には一人の生徒が立っている。
俺たちに気づいた手の空いている教師達が向かってくる。
「剛、能力使え!」
「ああ、行くぞ!」
能力者同士がぶつかり合う。能力の技が飛び交いおぞましい光景が広がっている。
生徒と教師がぶつかるが、やはり教師の強さは何段階も上で生徒が負ける。
そこに今から俺達も突っ込む。
(ぶっちゃけ俺も傷こそ治ってるけど、体力は全くもって回復していない……)
覚悟を決めろ!
何人かが刀夜に向かう。
「テストの状況は見ていました。第10位撃破にあの技……大変恐ろしい。手合わせ願います。」
向かってきた教師一人がそう言いながら俺に攻撃してくる。
(生徒に対しては目立ってないだろうけど、教師陣は俺達の様子を見ているから知っているのは当然か……)
「別に時止を倒せたのは俺の力だけじゃありませんよ?」
ふぅ〜ひと息吹いて俺は
「妖刀 四季!!」
「俺を守れ...」
その一言で刀は刀夜に向かってくる技を弾き飛ばす。
本当に色んな能力が飛んでくる。けど……
炎、水、氷、風、毒、光線など、あらゆる能力による攻撃を妖刀四季は自動で剣術を使い、刀夜を守ってくれる。
そこで周りの教師とは少し雰囲気の違う教師が来る。
刀夜は刀を握り
「春の盤、秋の盤「春花秋月」」
進みながら剣術を繰り出す。……が
ドーン!!
能力?か分からないが爆発して刀夜の剣術は相殺される。
「少し、調子に乗りすぎだ…」
刀夜は爆煙から出てきた教師に顔を掴まれて地面に叩きつけられる。
「ガハッ!!」
それに反応して妖刀四季は「春の盤「桜の波動」」を発動してくれる。
刀夜はふらつきながらも立ち上がる。
「今ならまだ”退学”を宣言すれば、命だけは助けてやるよ!じゃなきゃ本当に死ぬぞ?」
(消耗してなきゃ……)
一瞬そう考えるが、すぐに刀夜は考え直す。
いや、これは自分に対しての言い訳だ、体力の調整をしないで戦いすぎた自分の落ち度だ……
(だからこそ!!)
「春の盤、冬の盤「春冷え」」
春に桜が咲いた頃、冬の寒さが戻ってくる……。
刀から出る桜は教師の周りを回り囲んでいく、
「なんだ!?」
その桜は気づけば一瞬で氷となり、教師は氷漬けになり動けなくなる。
「確かに俺は子供だし……未熟だ...けどな!だから成長出来る余地があるんだよ!」
「見事だ…」
刀夜は動けない教師をみねうちで斬る
そして教師を突破する。
(この学校に来て新しい剣術を初めて作れたな……)
そう思いながら駆け抜ける。
(回復が遅い…)
意識を回復に逸らしていても、教師の攻撃を躱し、反撃をくらわして駆け抜けると、気づけば刀夜はゴール前30mぐらいまで来ていた。
ゴールにいた人が見え、足を止める。
そこに居たのは紛れもない最強。第1位だった。
「俺はこの中間テスト。誰も闘いに来なくてつまらなかった。」
(それは、あんたと渡り合える人なんていないからだろ!!)
刀夜は心の中で叫ぶ。
「だから唯一の楽しみを最後まで取っておいたんだ。」
「お前をな」
天堂は刀を抜く。
「安心しろただの興味本位だ。手加減はする。」
刀夜は体力もなく、絶望する。
(おいおい、嘘だろ?最後の最後までこの中間テストは……)
(それに今この状況であいつが技を出せばここにいる全員が巻き添えを食らう。)
絶体絶命だ。
「待て!やめろ!」
案の定、教師も焦っている。
「この試験は退屈すぎた……」
第1位は心の中で呟く。
”鳴”
雷の龍が出現してまるで龍が空を泳ぐようにこちらに向かってくる。その際に数十人もの教師、生徒が巻き込まれ直撃はしていないのに感電して気絶をしている。
(本当に第10位の時止が可愛く見えるな……)
ゴール側から来ているので、刀夜はゴールから遠のいてしまうが仕方なく森の方へとまた走っていく。
……が、雷の龍は俺を追尾してきている。それに雷速の速さから逃げることは剣術では不可能だと悟る。さらに天堂もこちらに猛スピードで向かってきている。
「なんであいつ雷と同じ速度で来てんだよ!?」
(やばい追いつかれる!)
刀夜は何とかしようと考える。
……あの巨大な雷の龍をぶった斬るしかない!そしてゴールに入り込む。この中間テストの最後の試験。
使うか……!
「春の盤 解放!」
「神刀 佐保姫!!」
そこで刀夜の視界は真っ暗になる。
「あれ?俺は……」
「今のお主の力じゃあの技は切れぬよ…諦めよ」
(誰だろう?)
そこには一人の女性が立っている。
「お主が解放したと”思い込んでいる”佐保姫じゃよ。」
(思い込んでいる?)
「ここはわしとお主だけが来れる精神世界、少し話そうと思うてな。」
「まず!お主が以前解放した神刀は力の10%も出せておらん。」
「だからってなんで俺はここに?」
刀夜が聞くと
「体力が消耗仕切っている中、使ったから気絶したんじゃよ。」
じゃあ……
「俺は死んだのか?」
呟くと
「違う!!」
佐保姫は間髪入れずに否定する。
「今からお主が神刀を使いこなせるように試練をする。そうすればお主はある状況を突破できるじゃろう。」
その言い方だとつまり……
「じゃあ早く試練をしよう!」
「礼儀がなってないの〜わしは春の神様じゃぞ?少なくても”前の四季”の使い手はもっと礼儀正しかった……」
(俺の前に使っていた人?)
「まぁ良い...今から試練を始める。」
そう言って桜が刀夜の目の前に落ちてきて、気づけば場所は桜の木に囲まれたお寺であった。
「どんな試練でも強くなれるならなんでもやってやるさ。」
正直今の状況に混乱していたが……今は強くなりたい……。言うことを聞くしかなかった。
「では試練の内容を言うぞ?桜の木から落ちてくる桜をキャッチするじゃ!」
(うん?桜をキャッチ?子供の頃よくやったなぁ〜じゃないんだよ……これが試練?)
「1枚でも取ればいいんだな?」
(流石に途方もない数字とかだろ?)
冗談交じりで言ったのだが……
「ああ!1枚でも取れば認めてやろう!」
(合ってんのかよ!本当に簡単すぎないか?この試練……)
そう思いながら桜の木の下に行く。
「制限時間はなしで良いぞ?いつでも諦めて貰っても構わん。ただ諦めた時点でお主の意識は現実世界に戻される。」
「まぁー待っているのは……”死”じゃろうけどな。」
「一発でクリアしてやるよ!」
「やる気があってよし!」
「始め!!」
佐保姫の合図で試練が始まる。




