第4話 中間テスト2
つまり俺も本気で戦えるということ。
「春の盤、秋の盤「春花秋月」」
(まずは広範囲で攻撃...)
距離30mまでにある物を真っ二つに切る。
「おお...当たったら怖い...けど当たらなければどうってことない。」
「春の盤 「桜斬・散!」
すかさず刀夜は剣術を使う。
今回は目くらましではなく、辺り一帯の土地ごと無差別に斬り込む。
(避けられた。範囲攻撃でも当たらないか……)
「春の盤 「春一」」
刀夜は奴が移動した場所に一瞬で移動してさらに打ち込む。
次の瞬間、奴は一瞬なにかに足を引っ掛けたようで反応が遅れる。
(好期!!)
だが……
完全に斬ったと思ったが、刀夜は空を斬る。
「無駄ですよ」
と余裕そうな第10位
(一つ...試してみるか...)
刀夜はさっきの剣術を使った後すぐに妖刀を手放した。
俺は冬の盤で作った刀で再び奴に斬り掛かる。
とった!と思ったが...
気づけば背後から蹴りを入れられる。
(おかしい...動きが見えないのはおかしい...)
そう、どれだけ早くても殴る前に構えるモーションがあるばずなのに、モーションがないのに奴は殴ってくる。
「もうそろそろ体術は飽きましたね...」
そう言って双剣を出す。
(二刀流...?)
今までは体術だったから即死はなかった...けれど、このまま分からないままじゃ...鋭い刃を食らえば即死、もしくは致命傷。
(今まではお遊びだったってことかよ......)
(能力...能力には範囲があるはず......だからこの時を”待ってたんだ”)
(そろそろ頃合いだ..これが通らなかったら負けだ!)
刀夜は覚悟する。
「君の能力のネタをそろそろ教えてくれないかな?」
俺は無理承知で聞く。
「教えるわけないですよ?まぁ教えても対策なんてできないですけどね。」
(今だ...!!)
第10位が油断して話し始めたところで俺は刀を地面を割る勢いで叩きつける。
「夏の盤「スイカ割り」」
夏の盤の力を纏った刀で地面にたたきつけたことで、地面は崩れ、周りの土と地盤はうちあげられる。
(視界の妨害?)
第10位不思議に思いながら構える。
刀夜にも土が顔に当たりながらも、距離を詰め刀を振るう。
「春の盤「春一」」
「視界を奪ったつもりですか?無駄です!」
案の定……避けられる。そして俺の背中を狙って斬り掛かる。
(少しはやる奴だと思ったが過剰評価でしたか...)
残念だと思いながら第10位は斬りかかった。
「終わりです...」
刀夜はこれを狙っていた。
俺は心臓と脳、首、刺されたら即死するところに小さい(冬の盤「冬眠冬華」)を纏って守る。どこから来ても分からないなら防御するまでだが、相手を油断させるために、即死する場所以外は何も纏わない。
グサッ!
鈍い音と同時に血が飛び出る...狙われたのは...足だ!
(逃げられないのようにするために足か...)
「これで僕の勝ちです。あなたは決して弱くない...僕より弱かった、それだけです。」
もう片方の双剣で今度は刀夜の心臓を狙う。
絶体絶命のはずが、刀夜はふと笑ってしまった。
ーーーーーーー”妖刀”
妖刀と叫べば、力を解放し、”自我”を持った刀本来の力で使える。
そう、刀夜の刀は”自我”を持つ。
妖刀四季は俺が手放した後上空にいた。刀夜は心の中で叫ぶ
(来い!)
すると上空にいた刀は、猛スピードで10位に向かう。
「なっ!?」
第10位は完全に予想外だったため、素っ頓狂な声をあげる。
(奴の意識からあの刀が抜けるのを待っていたんだ!予想外の攻撃は避けられないはず……
無傷で勝てるなんて最初から思ってなんてない。相手が一番油断する瞬間……それは勝ちが確定した時。)
足を負傷すれば逃げれられない。相手からすれば決着同然。それが甘かった。
………。
刀夜の後ろで倒れる10位...
刀夜の心臓を狙った刹那、後ろから妖刀四季が身体に突き刺さった。
「殺しはしない……急所は外した。」
「な、んで……わかった?僕の能力が……”時間を操る”に!」
(……いや?分かってないが?ただ油断したところに思ってもない攻撃が来たら当たるんじゃないかな〜?って思っただけで)
でも今までの現象に説明がつくことや、攻撃が当たった理由に納得する。
完全予想外の攻撃は時を止める前に当たったってことか。
「……!」
しばらく考えて刀夜は最悪の予想に至る。
(時間を操る能力?まさか……)
刀夜は即座に奴を気絶させようと手刀を首にぶつけかけたその時。
「気づきましたか、残念でしたね。あのままオーバーキルするもしくは心臓を刺していれば勝ちはあなたでした……。時間を操るということは回復する術があるのは当然なんです。ですがあなたはどうですか?」
確かに回復は予想外だ...だが...仮定で動いていた以上これで第10位を倒せると思ってなんていない。
刀夜は不敵に笑う。
「何がおかしい?あなたの足の傷は残る……もう戦えないでしょう?」
「俺に回復手段がないとでも思ってたのか?勝った後でもこんな傷でゴールにたどり着けるわけないだろ?」
(それに能力が分かれば対策はいくらでも出来る。)
「春の盤「桜の波動」」
刀夜の怪我した足は回復する。
「さぁ...第二ラウンドと行こうか!」
(流石…)
フッと笑う第10位は
「……あなたのことを認めましょう。僕の名前は、時止時雨です。」
「俺は刀夜よろしく...」
(最近よく名乗るな……)
2人はお互い向かい合い、武器を構える。
「もう先程のような作戦は効きません。」
時止は先程の不意打ちは防ぎようがないので、刀から意識をそらさないようにする。
気づくと目の前にいた時止は真後ろで双剣を構えている。
「遅い!」
(先手は僕!)
時止は刀夜の背中を斬ろうとするが、妖刀四季は危険を察知して刀夜の背中を守る。
「厄介ですね。」
時止は改めて感じる。
刀に反応して、刀夜はすでに後ろを向いていた。
(こいつ、自分を囮に!?)
ここで時止は刀夜があえて隙を作ったことに気づく。
宙で双剣を受け止めている妖刀四季を持って力を入れ、双剣を押し切る。
すると、またすぐに目の前から居なくなった。
(反動を気にしないで戦えるのは強いな……)
(だが……俺はこのまま耐えるだけでいい…能力には必ず限界がある。体力や傷が回復しても、能力を使った負荷は強くなっていく。)
「そのまま耐え続けるだけですか?」
「煽るのは無駄だ…俺はこのままお前の限界まで耐え切る。」
「はぁ〜もう弱点に気づいていたんですね……なら早めに決着をつけますよ。」
そう言って前に出ようとすると転びそうになる……
「焦ってるんじゃないか?」
煽ってみるが時止は無視して突き進む。だが、時止は実際焦っていた。
(図星だ…僕の能力もそんな便利じゃない。時間を止められると言っても人や物に干渉はできない上、時間を止められる制限時間は10秒ほど。それに能力を使用する度に制限時間は短くなる。)
刀夜は刀で受け身の形をとるが、目の前で消える。
(今の残り時間は5秒ってとこですかね?)
「決着をつけます。」
時止は動きの止まった刀夜の刀を避けたあとすぐに上に飛ぶ。
(また時止めか……死角は妖刀四季が守ってくれるから背後は気にするな……今は……)
刀夜がそう考えた時だった…上が光っている……太陽じゃない何かが
「これは残りの時の力を全て込めた技です!受けようとして、触っただけでも…あなたの時は永遠に止まる!逃げても無駄です。時を止めて追いつき、確実に当てます。」
(そう来るのか……まずい!)
おそらく刀で触っても俺は止まる。そう直感が言っている。
(今の全力を……撃ち込んで奴諸共斬る!)
改めて俺の剣術は四季の技を使う。
春の盤
夏の盤
秋の盤
冬の盤
この四つの型に分けられ、四つの季節にはそれぞれ神様が宿る。その神様に認められた時、奥義を得て、神様を憑依し、刀は神刀となる。
現在俺が神刀を解放できているのは春の盤のみ。
刀夜はふぅ〜と深いため息をつく。
そしてゆっくり口を開ける。
「…春の盤 解放!」
「神刀 佐保姫!!」
刀の周りに、幻想的な桜が舞い、輝いている。まるでそこに春の神様がいるように、
刀夜は神刀を構える。
「何をしても無駄です!行きますよ?」
「時の力を受けろ!」
裁きの時
ものすごい轟音と共に俺に巨大な球体が落ちてくる。これを刀で受ければ、俺の時は止まり、ほぼ死と変わらない状況に陥る。
(この場が静かになった時、立っていた方が勝者だ!!)
刀を一度鞘に戻し、左足を下げ身体を低く構える。
(俺が唯一使いこなせる剣術…)
「鶯神楽……」
刀夜は小さくつぶやき、神刀を鞘から抜いてゆっくりと振る。
斬撃を飛ばし、あっという間に相手の技を真っ二つに切る。そのまま時雨へと飛んでいく。
「なんだと!?」
驚きながらも能力を使用したのだろう…
神の力は能力には屈さない。時が止まっても斬撃は進み続ける。
刀夜が動き出した時には既に決着はついていた。静かだ……風の音が鮮明に聞こえる。
時雨は気絶をしている。
「はぁ…はぁ」
と息を荒らげながら刀を軽く振る。振った後に見える刀はすでに神刀から愛刀に戻っていた。
(はぁはぁ、何とか勝てた……でも、俺もかなり消耗した。現在時刻は13時と言ったところか?時間制限までまだあるし、ゆっくりと進むか……。)
かなり反動が来ていたのでとてもふらついている。神刀を使った分、消耗がほんとに激しい。
その瞬間!後ろから物音がする。
「嘘……だろ?あの技を受けてなお?」
息を荒らげ腕を抑えた時止が、1歩また1歩とゆっくり歩いてくる。
「まだ……負けてない!斬撃の時を止められないとわかった僕は必死に僕の動きだけを能力で早めて少しでも直撃を避けようとした。そのおかげで何とか…ハァハァ……能力は後……一回ぐらいなら何とか使える。この一回さえあれば、ハァハァ……お前を殺せる。」
さっきまでの敬語なんて無くなっているぐらい息遣いが荒い。
「お前の負けだ!!」
時止に剣を向けられ、刀夜は動くのを諦める。
「ああ、俺の負けだ……」
1対1の試合はな
(はは…俺は常になん手か先を読むタイプでね。)
「た…」
「頼むぞ剛。」
「剛?仲間か……?」
時止は後ろをむく...が誰もいない。
「はったりか?まぁいい!終わりだ!」
刀止が剣を勢いよっく振った直前、時止は吹き飛ばされる。
それはまるで何も無い所で急に転び出すような光景。
「ありがとうな...剛!俺一人じゃ勝てなかった。」
「なん……で?」
そう言って時雨は気絶する。
(今度こそ...終わりだ。)
剛の能力は透明化、姿が見えないのならば不意打ちが可能。時を止める前に一撃入れれば今のようになる。つまり剛は時雨の”天敵”だったわけだ。
「礼には及ばん。それより、俺がいたことに気づいてたのか?」
剛が聞く。
「時止の足が何かにひっかかった時、俺の剣術で消し飛んで何も周りにはないのに、まるで何かに足を取られたような素振りだったからもしかしたら透明の剛が援護してくれてるのかもって。」
そう言って剛が出してくれた手を掴んで立ち上がる。
「お前本当に強いんだな……最後の技なんてなんでも斬れそうな感じだったぞ?」
「それより、ゴールに向かって急ごう!後続に追いつかれると戦闘が避けられない。」
(剛がいなかったら俺は死んでいた。)
この先剣術で通用しない能力者が出てきたらどうすればいいか?
ふと考える。
けれどまぁ……何とかなるか!
第10位 時止VS刀夜 タイマン勝負
勝者 時止
第10位 時止 VS 刀夜
剛の加勢がありながらも
勝者 刀夜&剛”




