【日常の4】経過報告(今日は心臓の方ね)
「どうだった?」
うん、調子いいみたい。心臓も大きくなってないって。
「良かったね。」
『いっそオーバーホールしたい~』の方は、今後何かない限り一旦完結、ってことにしちゃったからね。だから定期検査の方はこっちで報告しようかなと。
「何の話かわかんない人いるよ。簡単に説明しといたら?」
◇
今年の夏、私は大腸がんが発覚して手術したのである。
がんのステージは2で、手術できれいにとれたらしく、今後は3か月に一度病院で検査して、5年間何もなければ完治、ということになるらしい。こっちはこの間1回目の検査があって、無事何事も無かった。
まあそれはそれとして、実は大腸がんの手術時に心臓の不具合も見つかってしまった。心臓の機能が6割くらいに落ちているらしいのだ。原因は今の所不明。で、こっちは現在服薬しながら様子見をしているのだが、こっちも今日1回目の検査だったのだ。
大腸がん手術の経緯については、エッセイ『いっそオーバーホールしたい -大腸がん切除と、その他幾つか不具合発覚記-』に書いているのだが、こっちは一旦完結にしたので、定期的な検査については、こっちで書こうかなと、そう思った次第なのである。
◇
「はい、良くできました。」
ありがと。
「経過報告って書くと、『アルジャーノンに花束を』みたいだね。」
ダンタリオン、ああいうの読むんだ。
「意外?」
ちょっと。
◇
「心臓が大きくなってない、っていうのはどういう意味?」
最初は『拡張型心筋症』っていう病気が疑われたんだよ。
「どんな病気?」
体の免疫機構が暴走して、心臓の筋肉を攻撃してしまう病気。
「マジで?味方の裏切りってことね。」
それな。で、それにかかると、筋肉でできた心臓の壁が薄くなって、その結果、心臓が風船みたいに膨らんで大きくなるんだよ。
「えー………。」
で、そうなると、心臓が血液を送り出す力が落ちてしまう。
「なるほど。」
心臓の検査で、心臓の壁がちょっと薄かったらしいんだ。あと、私の兄が『拡張型心筋症』だったから、まずこの病気が疑われた。
「でも、それじゃなかったってことね。」
そうらしいね。
「じゃあ、何の病気なの?」
うん、問題はそこ。心臓の機能が落ちてる原因が、まだ特定できてない。
「でも、とりあえず薬は飲んどけ、みたいな?」
そんな話。なんか心臓疾患は治療に長くかかるらしいよ。
「そっか。」
◇
年が明けたら、今度は大腸がんの方の検査。
「転移とか再発してないかどうかの検査ね。」
そういうことです。でもこれも、あと19回クリアすれば完治。
「こっちも長いわね。」
◇
「今回は真面目な話だけでお終いね。」
そういうことです。
「じゃ、またね。」
おやすみ。




