【日常の17】とりあえず一度離れてみよう。
「私達、一度離れた方がいいと思うの。」
◇
え?
「その方が、お互いのためだと思うの。」
……そうか。
「このままでは、いずれ駄目になってしまうわ。」
……そうかも知れない。
「連載が。」
やっぱダンタリオンもそう思う?
「とりま一度、食べ物と病気の話題から離れて。」
はい。
◇
「このエッセイのテーマは『日常』よね?」
そのセリフ前にも聞いたなあ。
「でも、最近の話題見てるとさあ、食べ物と病気の話題多すぎ。」
最初の頃は、そうでもなかったんだけどねえ。
「【日常の11】以降連続してるわよ。」
ほんとだ。
「まあ仕方ないところもあるけどね。」
去年の手術以降、私の日常に『病気』が、がっつり入り込んできたからねえ。
「食べ物は……私のせいかも(笑)」
それは間違いなくそう。
「うっさいわね。」
◇
「なんか他の話題ないの?」
うーん、花は?
「それは『あてどない植物記』でやって。」
そだね。
◇
「この間さあ、漫画の話書いてたじゃない?」
そんな話書いてたっけ?
「作品じゃなくて感想にね。『キミハトモダチ』の感想だったっけ。」
あれか、『火の鳥』。
「それそれー。どんな話なの?」
物語の中に不老不死の『火の鳥』が出て来ることだけが共通点で、あとは独立した別々の話のシリーズなんだよ。で、一番最初に一番昔の『黎明編』が出て、その次に一番遠い未来の『未来編』が来て、そこから段々現代に向かって時代が収束していって、最後は現代の話で終わる。
「ふんふん。」
予定だったらしい。
「現代にたどり着かなかったの?」
手塚治虫さん、現代の一歩手前の『太陽編』を書いた後、亡くなっちゃったんだ。
「ええー!」
で、この間感想に書いた『未来編』は、人口減少と環境汚染から、地下に『メガロポリス』っていうコロニーを作って住むようになった人類が、コンピュータに政治を任せてしまった結果、対立する2つのコロニーが戦争状態になり、お互いのコロニーにこっそり核爆弾を仕掛けあうんだけど、実は他のコロニーも同じことをやっていて、偶然にも5つあるコロニー全部が同時に滅びてしまうという救いのない話。
「うわ。」
から始まるんですよ。
「え、人類いないじゃん。話続かないよ?」
ところが、マサトっていう一人の青年が火の鳥に選ばれて不死になって、生き物が死に絶えた地球にまた生命が生まれて進化して、また人類みたいなのが生まれて栄えて滅びて、っていうのをずっと見守る、という、結構きついお話。
「うわ……きついわね。他人事じゃないって感じなんだけど。」
ダンタリオンも不老不死だったっけか。
「要はあの感想って、AIに依存して何でも任せちゃうと、こんな恐ろしいことになるかもしんないよね、みたいな話だったのね。」
そういうことです。
◇
「最近読んでるお気に入りの漫画とかないの?」
最近、怖いもの見たさで毎月読んでるのが、『ビッグコミックオリジナル』で連載されてる、柳沢きみおの『大市民 がん闘病記』。
「こら、また病気の話じゃんよ。」
ごめんごめん。でもね、気になるんですよ。私と同じ大腸がんの話だから。
「それは気になるわね。」
がんはステージ3で、手術後も腸に穴が開いたりとか、概ね私より二回り半くらい状況が悪い。
「こわっ。」
だからまあ、怖いもの見たさ。
「なるほどね。」
◇
あとは、最近気に入って読んでるのが、『ビッグコミック』で連載されてる『化けの皮のヒトバケ』。
「何それ何の話?」
人に化けて、人に紛れて生活している妖怪達の話。
「ホラーなの?」
いや中身はコメディ。人間社会で苦労して生きてるヒトバケ達の悩みの相談に乗る『人化の母』と呼ばれていた人が亡くなって、その役目を雪女のヒトバケである孫娘が継いだのはいいんだけど、変なのがいっぱい相談に来て……みたいな話。
「面白そうね。」
読んでみる?
~ ダンタリオン、試読中 ~
「これ可笑しい。」
面白いでしょ?
「雪女の『六花』が無表情なのがいいわね。本人すごく真面目なんだけど、周りとものすごくズレてるとこが可笑しい。あと母親の霰さんが性格子供すぎ。」
なんかねえ、面白くてつい毎月読んじゃうんですよ。
◇
あとはねえ、『ハクメイとミコチ』。小人の日常の話なんだけどね。
「どれどれ。」
~ ダンタリオン、単行本で試読中 ~
「………これはなんか、すごいわね。」
物語の背景とか舞台設定とか、すごく凝って作りこんであって、ちょっと文学の薫りがする。
「ハクメイは大工さんだけど、女の子なんだ。」
大工だけど、この世界の大工は左官の仕事もするみたいで、現実の世界と微妙に違う設定になってる。
「ミコチは料理と裁縫の腕がプロ級なのね。」
あと、ハクメイ達は身長10cmくらいで小さいんだけど、周りの木や草、米とか魚とか野菜なんかの食べ物のサイズは我々のと一緒、っていう設定が面白い。で、ハクメイとミコチを中心に、周りに居る癖の強い人達が繰り広げる群像劇、みたいな感じかな。
「いいわねこれ。単行本買って読みたくなった。」
◇
「病気と食べ物の話題抜きで、なんとか一話いけたじゃない。」
病気の話はちょっと入ったけどね。
「でも、これで次が難しくなったでしょ。ふっふっふ。」
謀られたか。ま、なんとか次の話考えるよ。
「じゃ、またね。」
はい、おやすみ。




