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一丁目のほとり ー悪魔との対話形式による日常記ー  作者: 蘭鍾馗


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18/26

【日常の17】とりあえず一度離れてみよう。


「私達、一度離れた方がいいと思うの。」


 ◇


 え?


「その方が、お互いのためだと思うの。」

 ……そうか。

「このままでは、いずれ駄目になってしまうわ。」

 ……そうかも知れない。


「連載が。」


 やっぱダンタリオンもそう思う?

「とりま一度、食べ物と病気の話題から離れて。」

 はい。



 ◇



「このエッセイのテーマは『日常』よね?」


 そのセリフ前にも聞いたなあ。

「でも、最近の話題見てるとさあ、食べ物と病気の話題多すぎ。」

 最初の頃は、そうでもなかったんだけどねえ。

「【日常の11】以降連続してるわよ。」

 ほんとだ。

「まあ仕方ないところもあるけどね。」

 去年の手術以降、私の日常に『病気』が、がっつり入り込んできたからねえ。

「食べ物は……私のせいかも(笑)」

 それは間違いなくそう。

「うっさいわね。」


 ◇


「なんか他の話題ないの?」

 うーん、花は?

「それは『あてどない植物記』でやって。」

 そだね。



「この間さあ、漫画の話書いてたじゃない?」


 そんな話書いてたっけ?

「作品じゃなくて感想にね。『キミハトモダチ』の感想だったっけ。」

 あれか、『火の鳥』。

「それそれー。どんな話なの?」

 物語の中に不老不死の『火の鳥』が出て来ることだけが共通点で、あとは独立した別々の話のシリーズなんだよ。で、一番最初に一番昔の『黎明編』が出て、その次に一番遠い未来の『未来編』が来て、そこから段々現代に向かって時代が収束していって、最後は現代の話で終わる。

「ふんふん。」

 予定だったらしい。

「現代にたどり着かなかったの?」

 手塚治虫さん、現代の一歩手前の『太陽編』を書いた後、亡くなっちゃったんだ。

「ええー!」

 で、この間感想に書いた『未来編』は、人口減少と環境汚染から、地下に『メガロポリス』っていうコロニーを作って住むようになった人類が、コンピュータに政治を任せてしまった結果、対立する2つのコロニーが戦争状態になり、お互いのコロニーにこっそり核爆弾を仕掛けあうんだけど、実は他のコロニーも同じことをやっていて、偶然にも5つあるコロニー全部が同時に滅びてしまうという救いのない話。

「うわ。」

 から始まるんですよ。

「え、人類いないじゃん。話続かないよ?」

 ところが、マサトっていう一人の青年が火の鳥に選ばれて不死になって、生き物が死に絶えた地球にまた生命が生まれて進化して、また人類みたいなのが生まれて栄えて滅びて、っていうのをずっと見守る、という、結構きついお話。

「うわ……きついわね。他人事じゃないって感じなんだけど。」

 ダンタリオンも不老不死だったっけか。

「要はあの感想って、AIに依存して何でも任せちゃうと、こんな恐ろしいことになるかもしんないよね、みたいな話だったのね。」

 そういうことです。


 ◇


「最近読んでるお気に入りの漫画とかないの?」


 最近、怖いもの見たさで毎月読んでるのが、『ビッグコミックオリジナル』で連載されてる、柳沢きみおの『大市民 がん闘病記』。

「こら、また病気の話じゃんよ。」

 ごめんごめん。でもね、気になるんですよ。私と同じ大腸がんの話だから。

「それは気になるわね。」

 がんはステージ3で、手術後も腸に穴が開いたりとか、概ね私より二回り半くらい状況が悪い。

「こわっ。」

 だからまあ、怖いもの見たさ。

「なるほどね。」


 ◇


 あとは、最近気に入って読んでるのが、『ビッグコミック』で連載されてる『化けの皮のヒトバケ』。

「何それ何の話?」

 人に化けて、人に紛れて生活している妖怪達の話。

「ホラーなの?」

 いや中身はコメディ。人間社会で苦労して生きてるヒトバケ達の悩みの相談に乗る『人化の母』と呼ばれていた人が亡くなって、その役目を雪女のヒトバケである孫娘が継いだのはいいんだけど、変なのがいっぱい相談に来て……みたいな話。

「面白そうね。」

 読んでみる?


 ~ ダンタリオン、試読中 ~


「これ可笑しい。」

 面白いでしょ?

「雪女の『六花りっか』が無表情なのがいいわね。本人すごく真面目なんだけど、周りとものすごくズレてるとこが可笑しい。あと母親のあられさんが性格子供すぎ。」

 なんかねえ、面白くてつい毎月読んじゃうんですよ。


 ◇


 あとはねえ、『ハクメイとミコチ』。小人こびとの日常の話なんだけどね。

「どれどれ。」


 ~ ダンタリオン、単行本で試読中 ~


「………これはなんか、すごいわね。」


 物語の背景とか舞台設定とか、すごく凝って作りこんであって、ちょっと文学の薫りがする。

「ハクメイは大工さんだけど、女の子なんだ。」

 大工だけど、この世界の大工は左官の仕事もするみたいで、現実の世界と微妙に違う設定になってる。

「ミコチは料理と裁縫の腕がプロ級なのね。」

 あと、ハクメイ達は身長10cmくらいで小さいんだけど、周りの木や草、米とか魚とか野菜なんかの食べ物のサイズは我々のと一緒、っていう設定が面白い。で、ハクメイとミコチを中心に、周りに居る癖の強い人達が繰り広げる群像劇、みたいな感じかな。


「いいわねこれ。単行本買って読みたくなった。」


 ◇


「病気と食べ物の話題抜きで、なんとか一話いけたじゃない。」

 病気の話はちょっと入ったけどね。

「でも、これで次が難しくなったでしょ。ふっふっふ。」

 謀られたか。ま、なんとか次の話考えるよ。


「じゃ、またね。」

 はい、おやすみ。






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― 新着の感想 ―
なんとなく、蘭さまのお話から、火の鳥「未来編」と「太陽編」の一部、映像が私の頭の中にある気がするんですよね。ロボットと一緒に暮らしていて、赤ちゃんも育ててもらっていて……な場面と、ひとりの青年が宇宙み…
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