表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一丁目のほとり ー悪魔との対話形式による日常記ー  作者: 蘭鍾馗


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/16

【日常の15】その名はガングリオン

 悪魔よ、汝に問う。



「何事?」

 ひとはリュックを背負う時、何故小さくジャンプしてしまうのか。

「しないけど。」

 それはマジであるか。

「ショウキよ、汝に問う。汝はリュックを背負う時、小さくジャンプするのか。」

 するのである。


「…………ごめんもう無理。笑う。想像しちゃった。」



 ◇



 あいたっ……。


「どうしたの?」

 掌をテーブルの縁にぶつけちゃった。

「そう。」


 …………


「……ちょっと。なんかすごく痛そうじゃない?」 

 …………うん痛い。

「音もしないくらい軽くぶつけただけでしょ?どうしたのよ。」

 ……ここ、ガングリオンが出来てるんだよ。

「誰それどこの悪魔。」


 Ψ


 悪魔じゃなくて、できもの。

「えっ!? それ大変じゃないの?」

 いや、別に大したものじゃないんだよ。良性の腫瘍で、中にゼリーみたいなものが詰まってるらしい。

「そうなんだ。でも、痛いんでしょ?」

 ぶつけたりすると、中のゼリーが周りの組織を圧迫するから、痛いんだよ。でもそのとき痛いだけ。普段は痛んだりしないよ。

「………ふーん。がんとかではないのね。」

 とかではない。

「がんになったりしないよね。」

 しないしない。

「そこだけ?」

 あと2か所ある。

「ええー……。」


 Ψ Ψ Ψ


 3年くらい前かな。左手の手首の、ちょうど親指の下のあたりにほくろがあったんだけど、ある日、その裏側になにか固いしこりができてるのに気づいた。

「えっ!?」

 それは段々と大きくなってきた。

「いやー!」

 で、ほくろの裏というのがちょっと気になって、近くの病院で診てもらった。

「で?」

 形成外科で診てもらったんだけど、『もしかしたら他の科を受診してもらわないといけないかも知れない』って言われて、ちょっとビビった。

「それビビるわあ。」

 で、CTを撮ることになった。

「CTを。」

 でも、CT検査の前日になって、そのしこりが消えちゃった。

「は?」

 は?だよね。まあでもとにかくCT検査を受けて、その後形成外科で診断結果を聞いた。

「聞いた。」

 で、言われたんだよ。『ガングリオンですね。がんとかじゃありません。心配ないですよ。』って。

「はー……。」

 袋状の腫瘍だから、ゼリーがたまる出入り口があって、そこからゼリーが漏れて小さくなったりすることはよくあるらしい。

「そうなんだ。」

 でも治るわけじゃなくて、また中にゼリーがたまってきて元にもどるんだけどね。

「めんどくさいわね。」

 うん、めんどくさい。でもめんどくさいだけ。

「なるほど。」

 大きくなったりしなければ、とりあえず放置かな。


 ◇


「じゃあショウキ。」

 何?

「行くわよ。」

 へ?

「ミュージック、スタート。」


 ダンタリオン、携帯をポチッ。



♪ずんちゃっ、ずんちゃっ、ずんちゃっ、ずんちゃっ。


「ガングリオン!」

 ガングリオン!

「そいつの名前はガングリオン!」

 悪魔みたい~!

「私の名前はダンタリオン!」

 知ってる!


♪ずんちゃっ、ずんちゃっ、ずんちゃっ、ずんちゃっ。


「ガングリオン!」

 ガングリオン!

「がんじゃないわよガングリオン!」

 人畜無害~!

「でもぶつけると痛いzeガングリオン!」

 これだけは勘弁~!


♪ずんちゃっ、ずんちゃっ、ずんちゃっ、ずんちゃっ。


「あと突然消えるYOガングリオン!」

 ガングリオン!

「消えれば無問題!人畜無害!」

 無問題!あと人畜無害!

「でもまた出て来るガングリオン!」

 ガングリオン!

「ちなみに私はダンタリオン!」

 知ってる!


♪ずんちゃっ、ずんちゃっ、ずんちゃっ、ずんちゃっ。




 ……………………




ピンポーン


 はーい。

「うるさいよ。」

 すみません。すぐやめます。


「まあ、今日はこのくらいで勘弁しといてあげるわ。」

 そう。

「じゃ、またね。」

 はい、おやすみ。



 ダンタリオン、なんであんなもの携帯に入れてたんだろ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ