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一丁目のほとり ー悪魔との対話形式による日常記ー  作者: 蘭鍾馗


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11/16

【日常の10】火事騒ぎとか

「お爺ちゃん来たよ。」


 お茶を吹いてしまった。不覚。


 ◇


 オルゴール職人の孫のマリエッタか。このネタ、そのうち喰らうとは思ってたけど。

「それが今日だったのよ。孫キャラもいけそうでしょ?」

 ノーコメントで。


 ちなみに、元ネタは私の1000字短編「音楽の小箱 ~年老いたオルゴール職人の独白~」です。

https://syosetu.com/usernovelmanage/top/ncode/2973209/ 

 失礼しました。


 ◇


 昨夜、火事騒ぎがあってね。

「ええ?」

 なんかねえ、火災警報っぽい音がどこかから聞こえてくるな、と思ってたら。

「思ってたら。」

 消防車2台と救急車が来て、ウチのすぐ裏の道に止まった。

「火事!」

 いや、結局火事じゃなかったみたい。

「何だったの?」

 ガス自殺をやろうとして、警報器が鳴ったもんだから、消防署に通報されたみたい。

「そんなこと良く分かったわね。」

 私の住んでるとこは下町でね。私みたいな人付き合いの薄い人間の所にも、その日のうちに噂話が届いてしまう。

「…えええ、怖っ。」

 だから近所で悪いことは出来ない。すぐ噂になるからね。でも逆に言うと、治安がいいということでもある。慣れると住みやすい所だよ。

「なるほどね。」

 ここに越してきてから一年目くらいだったかな。近所の床屋に行って散髪してもらってたら、私の住んでるアパートを知ってた。

「まあ近所だしね。」

 それどころか、私の普段の行動やら何やら、全部知ってた。

「……それ怖すぎ。」

 下町って独特で、表向きはお互い無関心な顔をしてるんですよ。でも、その裏でものすごくチェックを入れてくる。

「わああ。」

 まあ、江戸の昔から人口密度が高かったから、自然とそういう近所付き合いのスタイルが出来てきたんだろうね。

「なるほどね。」

 慣れてくれば、いい所だよ。


 ◇


「ところでさ、『アルハンブラの思い出』ってどんな曲なの?」

 ………今日は珍しい角度からツッコミ入れて来るね。

「アルハンブラは私にも縁が深かったじゃない。」

 そうか。

「有名な曲みたいだけど、何か知らないでいるのが悔しかったから。」

 こんな曲。



 ~ダンタリオン、試聴中~



「きれいな曲ね。ギターのトレモロって、こんな感じなんだ。」

 私も昔は弾けたんだけどね。

「弾いて。」

 いやもうやめてから何十年も経ってるからね。

「そうか、残念。そういえば、マリエッタはこの曲の作者の娘の名前からつけたのよね。」

 生後3か月で死んでしまったんだけどね。

「え?」

 ターレガの「マリエッタ」って曲があるよ。



 ~ダンタリオン、試聴中~



 ダンタリオン、号泣しちゃった。


「……曲の由来、聞かなきゃよかった。」

 この曲でそんなに泣くとは思わなかったよ。ごめん。

「年取ると涙腺が弱くなるのよ。」

 ………私とおんなじこと言うんだね。


 ◇


 じゃあ、お詫びに笑ってもらおう。


「何?」

 コロンって人が書いたお話。「ぼくはたい焼き」。

https://ncode.syosetu.com/n0769kp/



 ~ダンタリオン 試読中~



「……………」

 おかしいでしょ?

「………おかしいけど……おかしいけど、これ……なんか悔しい。」

 わかる。わかるよダンタリオン。

「小学4年生ネタなのに……オチも全部読めてるのに……それでも笑ってしまう自分が悔しい!」

 そうなんだよねえ。

「……あと、挿絵が駄目。」

 あれもなんか来るよねえ。


 ◇


「はー、一年分くらい泣いて笑ったわ。ありがと。」

 どういたしまして。

「じゃ、またね。」

 おやすみダンタリオン。




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