運命の人
今日は月曜!『月曜真っ黒シリーズ』です!
一人きりになったエレベーターのドアが開いて“うだつが上がらない”男が乗って来たので私は何も聞かずに7階を押した。
「お前、体育倉庫でシた事はあるか?」
「無いわよ!」
「じゃあ、今日の午後は地下の倉庫で資料整理をしろよ」
私はエレベーターのドアを見つめたまま、軽くため息をつきながら言葉を返す
「じゃあお昼はカレーとかギョウザは食べないでね。口が不味くなるから」
「昼なんか食ってらんねえよ!お前とシケこむ時間を作んなきゃいけねえからな!」
と、エレベーターがチン!となり、私は6階で降りる。
『だからアナタはうだつが上がらないのよ』と言わずに済んだ。
そしてデスクに帰った私は猛然と仕事をこなす。
私はしっかりランチを摂らないと身が持たないから。
社内恋愛でダンナと結婚。
泰葉と彰吾という二人の子供にも恵まれた。
泰葉を保育園に預けた頃は派遣が精一杯だったが……彰吾が出来て保育園に預けられる様になると私は本格的に職探しを始め、今の会社に契約社員として採用された。
そこで出会ったのが……齢40にして役職は主任留まり……つまり出世コースからは完全に外れて、しかも独身というアイツだった。
ウチのダンナは私より3つ年上だけど、今じゃ、私が元居た会社の次長にまで昇進する出世頭だ。
そんなダンナと比べたら“月とスッポン”のアイツとなんでこうなってしまったのか分からない。
経理部と営業部の合同の忘年会でたまたま隣の席になってアイツに三回目のビールを注いだ時には、もう視線を絡めていた。
ダンナには二次会に行くと嘘メッセして二駅先の繁華街の中のラブホにチェックインしたのが去年の暮。
そこからはもう……“坂道を転げて”いた。
一説に寄ると、世の中の男女の三人に一人は社内で伴侶を見つけるとか??
私も実際そうだった訳だが……私にとって“運命の人”は今の会社に居た。
それをお互いに否定しようの無いくらい……アイツと私は全てに於いて最高の相性なのだから!
だから私は……先にダンナと結婚できて本当に良かったと思っている。
いくら“運命の人”でも……アイツなんかと結婚してしまったら悲惨だ!
きっと“運命の人”と思う事が出来なくなる……
だから私達は……
こうして不倫の果実の甘さを思う存分味わうのがベストだ。
幸いアイツは独身だから……
リスクも半分で済むしね。
おしまい
とまあ、エチ表現は抑えて投稿いたしました(^_-)-☆
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