理性壊して、そばに居て
注意事項1
起承転結はありまん。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
ヤンデレです。今回は割とゴリっと入ってます。
苦手な方、ご注意下さい。
貴方が愛しくて、自分が愛しくて、何もかも壊してしまいたい。今、大変そんな気分。不安で不安で、不安で、仕方なくて、貴方の言葉が信用出来なくて、傍にいて欲しくて、だから、だから、だから――。閉じ込めました。
目が覚めると二つの感触。多分の水を含んだやわもちのような物が、隙間を埋めるように腕に密着していた。しかし手首には全く逆の感触。氷のように冷ややかで、硬質な物が腕にくるりと巻きついていた。
何方にせよ動けないので、首だけを傾ける。爛々と、輝く二つの眼とかち合った。しかし喜びから来る無邪気な光ではない。欲望を全面に出したドス黒い光。んー……ヤンデレ期来ちゃったかー。
「ひーくん!! ひーくんひーくんひーくん!!」
「うん、おはようさん。で、これは何かな?」
手首を上げて左右に振ると、彼女は開き切った動向のまま凝視してくる。何を聞かれたか不明。故に首を傾げるような仕草をした。
「手錠だよ。逃げないように。君は永遠に此処に居てくれれば良いんだよ? 私が全部全部やってあげる。何でもしてあげる。そうやって我儘言わなければ、面倒臭いとか言わないでしょ?」
あぁ、やっぱり。今、彼女は僕の事を見ていない。過去だけを写して引き摺って、どうにか自分の中で気持ちの整理を付けようとしている。
僕は理性の壊れた彼女を抱き締めると、髪を梳く。今まで散々密着してきたのに、いざ相手側から接触されるのは嫌であるらしい。体が強ばって、離れようと背を逸らす。それを拒むように肩口に顔を押し付ける。
「逃げないよ。こんな事しなくても。気持ちは嬉しいけどね」
「……逃げたら君の腱を切っちゃう。……君の体に傷付けちゃう」
情緒が戻ってきた。その証拠に震え声が、歓喜から不安感に変化している。逃げようと逸らしていた体も今は密着しにかかる。
この様を怖いかと聞かれれば、勿論。けどもその感情を出したら、後戻り出来なく成程彼女は壊れ果てる。それは今よりもずっと怖い。
「疲れたでしょう? 今は眠って良いよ」
その言葉が決め手となって、背中に巻き付いた腕が滑り落ちた。首元からは寝息。安心してくれたらしい。
あとがきはお気をつけて。何でも許せる方向けです。
本当この子の過去編の話のはずだったんですけど、こうなりました。
きっかけは
□□って面倒臭くって、重いよね。
という言葉から。
何時か書くと思います。ヤンデレよりもメンヘラ寄りで。