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プロローグ



僕、アルフレート・マイヤー。3歳。


日本人という前世を記憶している。

この世界では前世の記憶を持っているのはタマにいる。

3歳になる少し前、父に質問された。正直に答えるように、と言われた。

「お前は前世の記憶を持っているか?」

いや、驚いた。

どうして気づいた。

「お前、ちょこちょこモノ壊すだろ。それは魔力が多いせいだ。そんなに魔力が多いのは前世の記憶を持っているせいではないかと思ってな。お前は年にそぐわない利発な言動をとるし、もしかして、と思っていたのだ」

聞けば、魔力は持って生まれたもので遺伝性は、ほとんどないとされているが貴族には魔力持ちが多いそうだ。そして、特異な経験により増えることがある。

そして、先天的なものとして前世持ちであることがあげられるそうだ。

後天的なものは強い衝撃、強いストレスがあって今は故意にそのような衝撃を子供に与えることは禁止されている。

魔力は5~6歳で固定される、とされていて強い衝撃ということは子供への虐待ということになるからだ。

虐待されて育った子供が一族を皆殺しにした痛ましい事件もあったそうだ。


虐待ね...。

僕の父は商人上がりの男爵だ。

他国との交易を作ったことを認められ、爵位を賜った。

凄いことだと思うのだが正妻は金で爵位を買ったと見下した感が隠せないでいる。

正妻は資金繰りに困った子爵家の令嬢で、資金提供を約束した政略結婚だ。

父は貴族と繫がりが深くなるしWIN-WINなハズだったが令嬢は嫌々だったようだ。


そして、僕の母は男爵家のメイドだった。平民だ。

正妻は妾などができたこともムカつく。

子供(僕)まで作ってムカつく。

その僕が豊富な魔力持ちでムカつく。

自分の態度が悪いことは棚に上げ妾の方を父が愛しているのもムカつく。

優秀な僕(前世持ちだからそう見えるだけ)と違い、自分の子供(長男10歳、長女8歳)が普通なのもムカつく。

おまけに僕は女の子と間違われるくらい可愛い顔立ちをしていた。

自分でも天使だ、と思うくらいだ。ちゃんと前世の視点で見て思うのだから自惚れではない。多分。

そんなわけで、正妻は常に不機嫌な顔をしていた。

それが悪循環を引き起こしていることに気付いているのかいないのか。

母をそんなふうにしているのは妾と僕のせいだと子供2人も僕と僕の母を目の敵にしている。

僕と母は本館の裏に別邸を与えられ、そこで暮らしているが嫌がらせが酷い。

父は正妻に強く出られないのか僕と母に謝りはするものの改善されることはない。

でも、まぁ衣食住に困ることはないので大人になったら、母を連れてこんなとこ出てやる、とは思っていたが、それでも死ぬような危険がある生活ではないし、呑気に暮らしていた。

これも前世の記憶のお陰だと思う。

前世で一生を無事に終えている。つまり大人な精神を持っているからね。

そうでなければ泣いてるだけの役立たずだったに違いない。

3歳になって父に頼んで家庭教師をつけてもらったので読み書きができるようになった。

簡単な読み書きレベルのときから読み始めたので、だいぶ苦労したが本を読み漁り、この国に騎士養成学校と魔法士養成学校があることを知って楽しくなってきた。

僕は魔法士養成学校へ行く。

そして宮廷魔法士になる。高給取りだから母1人くらい余裕で見れる。

養成学校は優秀ならスキップできるというし早く卒業して早く家を出よう。

頑張るぞ。



ただ、1つ心配なことがある。


僕の前世、女なんだよねぇ。なんで同性に生まれなかった...。

しかも前世の感覚に、かなり引きずられている。

ちゃんと女の子を好きになれるのかな。

男を見てときめいたらどうしよう。

この世界、そういうの寛容じゃないんだよねぇ...。




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