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月夜譚 【No.101~No.200】

初夏 【月夜譚No.112】

作者: 夏月七葉

 蚊帳の中で寝転がると、見える景色がいつもと少しだけ違って見えた。細かな網に囲まれて、安心感も増す。全開にした戸から夜風が入り込み、寝るには丁度良い心地だ。

 タオルケットを腹にかける。ほんのりと香るのは、先ほど消したばかりの蚊取り線香の残り香だ。

 手足に触れる感覚、鼻腔に入り込む匂い、月明かりだけに照らされた天井――それ等全てが満たされて、ああ、夏なのだと感じる。

 西瓜にラジオ体操、蝉。夏の要素は様々にあるが、自分は今この状況が一番夏らしさを感じる。

 燦々と照りつける太陽だけが夏ではない。静かな涼しい夜だって、夏の代表格だ。

 ふっと、瞼を閉じる。一瞬強く吹いた風が前髪を撫で、蚊帳を揺らすのを感じた。

 今夜は良い夢が見られそうだ。微笑した唇は、すぐに寝息を漏らし始めた。

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