90話 いつか世界の片隅で
「それじゃあ、スティグマも最初はオメガが作り出したレプリカAIだったのか」
「はい、けれど彼は自我が強くて私を操るほどに強力になってしまったようです……」
申し訳なさそうに謝るオメガ。
「いやいや、すべてが上手くいってよかったよ」
オメガが修正したことにより『デュアル』は普通に戻った。
晴葵達六人が帰る時が近づく。
そうすれば、ここには戻ってこれないだろう。
電脳世界『デュアル』への入場券であるガラケーとメガネは、ただの『デュアルワールド』専用機へと戻る。
「色々……迷惑をかけたな」
「すまなかった」
「オメガを助けてくれてありがとう」
ディガンマ、コッパ、サンピが礼を言う。
「短い間だったが……楽しかったぞ、人間!」
ショーが泣きながらポーズを決める。
「……世話になったな」
ヘータが頷く。
「オメガを助けてくれて……ありがとナ」
ニッコリと笑うサン。
「色々ありがとうございます。やっぱり人間は……優しく暖かい方達です。その手のように」
オメガが嬉しそうに晴葵と文菜が繋いだ手を見る。
「あっ!」
慌てて手を離そうとする晴葵の手を強く握る文菜。
「みんな、またね!」
文菜が強く言う。
「あなた達のこと忘れないわ」
千弦が頷く。
「絶対忘れないからね!」
小弓が元気よく叫ぶ。
「お主らとともに過ごした時間……幸福であった!」
泣きながらポーズを決めて叫ぶ匡也。
「元気でね」
手を振る幸大。
六人の体が光り輝く。
「それじゃあ……みんな幸せに」
オメガ達に笑う晴葵。
「はい、お元気で!」
オメガの言葉と共に、晴葵達は現実世界に戻っていった。
真っ白に輝く視界が元に戻る。
そこは旅館の一室だった。
「……戻ってきたのね」
「ですねー」
「なんだか、長いようで短い出来事だったね」
「珍しい体験でござった」
千弦、小弓、幸大、匡也の四人がそれぞれの感想を述べる。
「晴葵先輩はどうですか?」
文菜が聞いてくる。
「あの出来事も大切な体験、そしてサン達は『仲間』だよ。忘れられない。大切なね……さぁ!晩御飯に行こうじゃないか!豪華な海の幸が待ってるよ!」
「「おー!」」
こうして大冒険を終えた六人は、少し大人になって部屋を出ていった。
人間は様々なことを体験して大人になる。
大事なことも忘れていってしまう。
けれど、それでも前へ進むのだ。
幸せだと。
彼らは叫ぶのだ。
いつか世界の片隅で。
閲覧頂きありがとうございます!
無敵の六人の大冒険はここで一旦、休憩となります。
次回からは『いつか世界の片隅で2』を開始したいと思っております!
再び晴葵たちの冒険にワクワクして頂ければなと思っているので、応援よろしくお願いします!
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それでは、91話目から始まる『いつか世界の片隅で2』でお会いしましょう!




