9話 暑さのせい?
灼熱の炎天下の中、駅に向かって歩く五人。
「やっぱり暑いからか人がいないね」
「アイス食べたいー」
幸大と小弓が疲れたように歩く。
匡也に至ってはハイテンション行動でバテたのか、四人の少し後ろを無言で歩いている。
「晴葵先輩、冷麺とか食べたいですねー」
晴葵の腕にしがみついて歩いている文菜。
彼女はすごいことにあまり汗をかいていない。
むしろ、しがみつかれている自分の方が汗だくで申し訳ないほどだ。
「そうだねぇ。でも、俺的にはもう少し外でもいいかな」
「え!すごい!」
文菜が驚いた表情をする。
「外に居れば文菜の胸を堪能出来るからね」
自身の腕を見てニヤニヤする晴葵。
「こんな時までブレない発言だね」
幸大が呆れを通り越して感心したように言う。
「さっすがは晴葵!ブレないその態度!さすがは拙者の盟友よ!」
体力を取り戻した匡也が決めポーズを取りながら近づいてくる。
「晴葵先輩、えっちー」
楽しそうに笑う文菜。
そうこうしていくうちに、五人は駅の近くにある大型ショッピングセンター『ならふぁ』に向かう。
「人いないなぁ……まぁ、暑くて出る気ないのかな」
幸大がキョロキョロと周囲を見る。
「けど、本当に珍しいねぇ。こんな街中で車の一つも走ってないなんて」
晴葵も頷く。
確かに車はある。
が、それは路上駐車している車で、走っている車は一台も通らない。
「なんか、ちょっと寂しいね」
小弓も少し違和感を覚えているようだ。
「フッ、さすがにこの天使の裁きに等しい灼熱の光の下を歩けるのは選ばれし我々五人のみか」
匡也がフハハハと笑う。
「ふざけてないで、さっさと行こー」
文菜が匡也を冷ややかな目で見つめる。
「そうだね。この密着体験もいいけど、今は冷房の効いた部屋がいいねぇ」
晴葵の歩くスピードが文菜に合わせて少し早くなる。
「あ、待ってよー!」
小弓も二人を追いかける。
「ほら、匡也。さっさと行こう」
「ふむ。確かにこのままでは天使の裁きに我らの肉体がもたんな。ついて参れ、幸大よ」
匡也はマントもないのにバサッと翻す真似をする。
「え、もしかして僕が従者?」
自問自答する幸大。
「早くついて参れ!」
「わ、わかったって!」
慌てて匡也達を追いかける幸大だった。
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