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89話 楽園

「……ん」


 心地よい日の光に照らさせれて、目を開く晴葵。


 心地よいというよりかは蒸し暑い。


「暑い……かなぁ」


 あまりの暑さに上体を起こす晴葵。


 そこは『駅』のチケット売り場の日陰だった。


「……街は崩壊したはずだから……ここは天国かな?それにしてはずいぶん地元感あふれるねぇ」


 ヤレヤレとため息を吐く晴葵。


 すると手に何かが触れる感触。


 振り返るとそこには一人の少女が眠っていた。


 最後の別れ、ずっと我慢していた言葉を伝えれた相手が、そこにいた。


「文菜……!」


 慌てて揺さぶる晴葵。


「ん、晴葵……先輩……?」


 寝ぼけた目で晴葵に抱きつく文菜。


「あはは……もし天国なら……ずいぶんと粋な(はか)らいをしてくれる場所だね」


 文菜を(いと)おしそうに抱きしめて呟く晴葵。


「あ、晴葵!」


「文菜ちゃーん!」


 遠くから聞きなれた声がする。


『高校』に向かう道から走ってくるのは幸大と小弓。


「あなた達もいたの!?」


「おぉ、全員集合でござるな!」


『ならふぁ』の方から走ってくるのは匡也と千弦。


 全員が晴葵と文菜の近くに走ってくる。


「はは……ずいぶん幸せな、天国だね」


 晴葵が目に涙を浮かべて呟く。


「天国ジャねーゾ」


 背後から声が聞こえる。


「うお!」


 振り返ると『駅』の中からサンやヘータ、ショー、ディガンマ、コッパ、サンピ、オメガのAI勢が現れる。


「みんな……!」


「大丈夫ですか?」


 オメガが心配そうに尋ねてくる。


 スティグマからの支配が解けて、本来の性格に戻ったようだ。


「あぁ、大丈夫だよ」


「まったく……この王を心配させおって」


 ショーがぶっきらぼうに言うが、泣いている。


 かなり心配してくれたのだろう。


「ところで、天国じゃないというのは?」


「アァ、この世界が消えてもオメェらが消えるわけじゃねーゾ?周囲が何もない白い空間になるだけダ。また世界を作れば元通りダ」


「……ん?じゃあ、あの俺たちの大慌ては?」


「無駄だな」


 ヘータがバッサリと切り捨てる。


「「……えー!」」


 六人の絶叫したあと、AI達と笑いあったのだった。

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